研究シーズの内容
地域観光政策の中でも、特に観光ルートの開発には、観光利益の広域配分や観光収入全体の増加、さらには観光資源の負荷分散といった効果が期待できるために、開発途上国や先進国のいずれにおいても重要な観光政策とみなされており、低迷する地方の開発戦略として、日本の各地方においても重要な課題のひとつといえる。
本研究は、観光ルートの開発に注目して、観光ルートが観光客誘引を達成するための戦略的条件を探ろうとするものである。本研究においては、観光ルートを新たに開発する際に必要な要素として、①一定の地域に存在する複数の活動やアトラクション、②それらを関係づけることができる統一的テーマ、を備えたルートを観光ルートと定義した。
このように、本研究が採用する観光ルートの概念を明確にしたうえで、観光ルート開発を成功に導く諸条件として、統一的テーマ、製品化、インフラストラクチャー整備、プロモーション、ステークホルダーの参加と協力、観光資源の保護、といった課題について論じた。そして、これらの諸条件を、観光ルート開発のガイドラインとして利用することを提案し、強固な統一的テーマの設定と製品化の充実が最優先されるべきであることを強調している(右表)。
実用化イメージ
・観光客誘引を達成するための新たな観光ルートの開発
・新しい観光商品、サービス商品の開発
・地方自治体の観光政策におけるマーケティング戦略の導入
・観光ルート開発に関連する人材の育成
関連する特許や論文等
論 文
・「マーケティング戦略としての観光ルート開発」 『関西国際大学地域研究所研究叢書』,関西国際大学, 2007 (Mar.)
・「レクリエーション,スポーツのサービス企画支援手法I : 新サービスの概念と手法の概要」 『関西国際大学研究紀要』,関西国際大学,2007 (Mar.)
その他多数(琉球大学研究者データベース参照)