研究シーズの内容
本研究では、地震被災直後の鉄筋コンクリート(RC)造建物への簡便な応急補強法に関する研究開発を行っている。具体的には、連続繊維ベルトとラチェットバックルから構成されるラッシングベルトを用いて、被災柱を外部から締め付ける応急補強技術である。本技術を適用することで、余震によるRC造建物の損傷進行を低減でき、かつ被災建物の安全を確保することで建物の居住者や近隣の人々の安心を得ることができる。
また、施工が単純で容易に建設されることが多いコンクリートブロック塀について、県内(那覇市)の構造実態調査を実施し問題個所を明確にすることで、設計規準の遵守を促す取り組みも行っている。
左図:耐震補強実験結果
損傷レベルⅣ(ひび割れ幅2.3mm)にラッシングベルトのみで補強を施すと、初期剛性は低いが、靭性に優れた履歴性状となる。
実用化イメージ
分野および用途
プレストレス、ひび割れ閉合、地震被災、コンクリートブロック塀、耐震性能、耐震診断
関連する特許や論文等
1)(科研費)高強度緊張材で能動拘束された損傷RC柱の圧縮性能とせん断伝達機構の解明,基盤研究,2016-2019
2)(公的資金)高強度緊張材による能動拘束を活用した地震被災建物への応急補強法に関する研究,高橋産業経済研究財団,2014