研究シーズの内容
疲労き裂が発生した機器においても,き裂が不安定的に進展しなければ,き裂の状態を監視することによって安全な稼働あるいは運転が可能である。
本発明のき裂進展抑制方法は、き裂の端部にストッピングホールを施すことで疲労き裂の伝播を抑制するき裂進展抑制方法であって、前記ストッピングホールの周辺に穴を設け、前記き裂方向をき裂仮想線とし、前記ストッピングホールの中心を通り前記き裂仮想線に対する垂線をストッピングホール仮想中心線としたとき、一対の前記穴を前記き裂仮想線に対して対称に設け、対称の位置に設けた一対の前記穴のそれぞれの中心を結ぶ穴位置仮想線を、前記ストッピングホール仮想中心線の位置、又は前記ストッピングホール仮想中心線よりも、前記き裂から離れた位置とし、前記穴に内圧を負荷することで、前記ストッピングホールのき裂発生部位に圧縮応力を発生させることを特徴とする。本発明によれば、ストッピングホールの近くに加工した穴へのピン打ち込み(挿入)により、内圧を負荷することによって、き裂先端に加工したストッピングホールの周辺に圧力応力を生じさせることができる。
ストッピングホールによるき裂進展抑制手法
実用化イメージ
分野および用途
本発明にかかるき裂進展抑制方法は、航空機の機体に生じる疲労き裂に対して有効であるが、その他基材の切り欠き部から発生するき裂の進展の抑制などに用いる場合に有用である。
関連する特許や論文等
1)特許第4706024 号
2)A crack-growth arresting technique in aluminum alloy, A. Murdani, C Makabe, A. Saimoto, Engineering Failure Analysis, Vol. 15 – 4, 2008, pp.302-310