研究シーズの内容
一見きれいに見える大気でも、実際は多種多様な物質が様々な形態で浮遊している。それらのエアロゾル(当研究室では浮遊粒子状物質をエアロゾルと定義している)は太陽からの光を散乱し、高濃度では視程が悪くなるといった現象を引き起こす。また、エアロゾルは、粒径が10μm以上の大きな粒子は重力によって除去されるが、それ以下のものは沈降速度が小さく大気中に比較的長く滞留することが知られている。そのため、呼吸によって人体に取り込まれると、呼吸器や循環器へ影響を及ぼすことがある。
以上のことから、エアロゾル濃度の時間変動や季節変動を知ることは人体への影響や環境問題を考える上では非常に重要である。
当研究室では下記のようなエアロゾル分析・評価に取り組んでいる。
・エアロゾル中の重金属の計測と挙動に関する研究
・エアロゾル中の炭素成分の分別検討法および経年変化に関する評価
・エアロゾルの水溶性有機化学成分の挙動に関する研究
・大気中の放射性物質測定 ※製品や土壌等の放射能分析も可能
・大気中の222Rn濃度変化を用いた洞窟内環境測定
実用化イメージ
・大気中の化学物質の季節変動や経年変化を用いた環境評価
・放射性物質測定(大気中及び製品、土壌等)
・化学物質の測定方法や測定機器に関する助言
・洞窟(鍾乳洞)の特徴や観光資源としての可能性調査
関連する特許や論文等
Atmospheric Concentrations of 210Pb and 7Be Observed in Okinawa Islands. RADIOISOTOPES. 63:175-181 (2014)