研究シーズの内容
従来、食品タンパク質の栄養的価値は、それらのアミノ酸バランスとともに、消化率も重要な要素とされてきた。近年、ヒトの消化酵素では消化され難い食物繊維の腸内発酵代謝産物である短鎖脂肪酸が大腸粘膜へのエネルギー供給やバリア機能の改善、脂質代謝修飾など様々な生理機能を有することが明らかになってきた。本研究室では、ヒトおよびげっ歯類の消化管腔内で難消化性を示すタンパク質(レジスタントプロテイン)が腸内細菌叢による大腸内発酵パタンを制御し、酪酸発酵を増加し得る可能性があることを見出した。
今後、沖縄県産食物等からレジスタントプロテインを含有する素材を探索し、この素材を活用した食品開発に協力し、県民が健康になるための取り組みを実施していきたいと考えている。
実用化イメージ
分野および用途
● 有効なレジスタントプロテインの探索とその生理機能を有する食品の開発
関連する特許や論文等
1)森田達也, 大西竜子, 桐山修八 他, 消化管の栄養・生理と腸内細菌, 株式会社アニマル・メディア社, pp.303-309, 2011.