研究シーズの内容
現在、大型MICEの整備に向けて準備が進められているマリンタウン地区の施設整備にあたって、①コスト上昇に伴う影響や②エリア内の土地利用の調査、③交通インフラの整備、④地域住民の理解など課題が指摘される。そんななか、立地自治体である与那原町、西原町に加え、近隣の中城村、北中城村の4町村によって設置された「サンライズ推進協議会」では、広域まちづくりビジョンの策定など東海岸全体の発展につなげる取り組みを行っている。
県内で大型MICE施設に対する期待が高まる一方で、MICE振興に取り組む国内外の競合地も多く、今後の誘致競争が激化することは必至である。沖縄が優位性を打ち出すためには、MICE誘致計画を明確にしたうえでターゲットを定め、施設の優位性に加えてICTを活用した最先端の運営システムやリゾート環境を活かしたアフターMICEプラグラムの強化、産学官の連携システム構築などを通して主催者側の期待にしっかり応える総合力が必要である。
MICEには幅広いビジネスが関連することから、消費効果への期待が大きい。世界のMICE先進地はMICEを地場産業の振興を図るための有効な手段と位置付けていることから、沖縄県でも、他産業への波及効果が大きい製造業の振興を図り、誘致だけでなくMICE主催地として、積極的に地場産業の発信に務めることが重要になっている。
今後の沖縄観光は、従来の観光地周遊や癒やしを目的とするビーチリゾートに加え、日本とアジアを結ぶビジネス中継拠点としての役割を果たす「ビジネスリゾート」としての地位を獲得し、地域経済へのさらなる貢献やビジネス、文化、学術などの交流拠点を目指すことが必要だ。
本研究は、日本とアジアの中間に位置する沖縄県の地理的特性を活かした「ビジネスリゾート沖縄」の実現を目指す沖縄県の大型MICE施設整備に向けた取組みと課題について検討したものであり、大型MICE整備が民間企業の新たな投資促進につながることを期待している。
実用化イメージ
•地方自治体における観光政策策定、観光振興計画策定、観光戦略立案
•企業のおけるアフターMICE関連の新プログラム開発
•MICEに関連する専門人材の育成
•製造業のMICE分野への参入
関連する特許や論文等
著書
・『沖縄観光進化論』 琉球書房, 2012(Dec.) .
論 文
・『大型MICEの施設整備のポイントと「ビジネスリゾート」構築への期待』 月刊レジャー産業資料, P88-91 , 2017(Feb.)
その他(琉球大学研究者データベース参照)