潤滑技術 トライボロジー 塑性工学 潤滑技術 トライボロジー 潤滑 押出し加工 鍛造 表面テクスチャ 塑性加工における金型と金属間の潤滑技術は、製品の表面品質(硬度や滑らかさ)や製品加工限界の向上、加工動力(エネルギー)の低減、金型寿命の延長(経費削減)へ貢献します。このことは生産性向上だけでなく、エネルギーや材料の消費削減の結果として、環境保全・地球温暖化防止へ寄与します。塑性加工における潤滑性の向上や表面品質向上を目的として、工具表面に微細穴加工や微細溝加工などを施し、工具表面テクスチャ(表面性状)と潤滑剤の活用方法について研究を行っています。 工具接触面潤滑条件(潤滑油粘度や塗布量)の違いが、塑性流動の違いとして明確に現れる形状の金型からなる、片側平面押出し加工装置を試作し、アルミニウム及びアルミニウム合金を加工材として、一連の潤滑特性評価に関する検討を行ってきました。同実験方法を利用して、さまざまな条件の下で、植物油やグリース、鉱油での比較実験を実施しています。とくに工具表面テクスチャの影響を調べるために、工具表面に微細ピット加工を施した平面工具を用いて、アルミニウムとアルミニウム合金を加工材として平面ひずみ押出し加工実験を行いました。その結果、アルミニウム合金においては微細ピットとパーム油の組合せで荷重低減効果が生じることを明らかにしました。 潤滑剤活用技術は、製造現場において動力の削減や金型寿命の延長、工程の削減などコストを減らし、生産性を向上させる重要な技術です。その効果は表面テクスチャと潤滑油だけでなく、金属の種類や硬度、製造現場の条件によって異なってきます。本研究は潤滑油を有効に使うことをテーマに、どの潤滑油を使うのが有効か、その際の表面テクスチャの影響はどうか、の比較実験を実施しデータを集めています。ケースに合った潤滑剤活用法を見出すヒントにできると考えます。 ●工具に微細溝を施した効果については、以下の文献をご参照ください。軽金属第58巻第3号(2008),111116.軽金属第59巻第7号(2009),339343. 塑性加工における各種潤滑油の潤滑特性評価や工具表面に微細加工を施しての潤滑性能評価を行っています。機械の摩擦・潤滑に関するコストダウン、品質向上、損傷防止のアドバイスや相談にお応えできます。
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