ナノテク・材料 分析化学 粉体工学 粒径測定法 粒径 計測 ATR SEIRA 近年、科学・工学のあらゆる分野で“ナノサイズ”化がいちじるしく進展し、多くの「材料」の“微 粒子化”を引き起こしています。このような動向は、粒子サイズ測定法の高度化への要求として分析 科学に波紋を投げかけています。一方で微粒子サイズの測定に関して実用化されている、光の散乱現 象を利用した解析装置は高価であり、混在する粒子を測定できないという欠点があります。 本研究は光の吸収現象を応用する、まったく新しい原理による粒径測定法を開発するものです。 既存の手法とはまったく異なり、表面増強赤外吸収(SEIRA)現象および赤外全反射吸収(ATR)現 象を応用する新しい原理に基づいて、多成分混合微粒子系の粒子サイズを、成分分別することなく各成 分ごとに同時に測定する手法を開発中である。ATR法による粒子サイズ測定法の原理は次のとおりである。 赤外光がATRプリズム側から入射すると、空気側にはエバネッセント波が波長程度しみ出す。空気側に微粒子が一粒子層以下で存在すると、小さい粒子ではエバネッセント波に多く曝されるので赤外吸収が 強く、大きい粒子では弱い。一方SEIRAとは、ガラス基板上の金属薄膜のごく表面に分子が存在すると、表面から離れて存在する 場合に比較して、分子の赤外吸収強度が100倍以上強くなる現象である。これは、入射赤外光により金 属薄膜近傍に強い光電場が形成され、この光電場が金属薄膜表面から離れるにしたがい急激に減衰する ことによる。よってATR法の場合と同様に、小さい粒子ほど吸収は強く、大きいと吸収は弱くなる。●両現象では減衰波の到達範囲が異なる(ATR法:数μm、SEIRA:数十nm)ため、μm オーバーの粒子はATR法で、それ以下の粒子はSEIRAで測定することにより、広い粒度分布を カバーできる。 ●得られるスペクトルは赤外吸収スペクトルであるため、各成分の吸収バンドをモニターするこ とで成分別の同時測定が可能となる。 ●赤外分光計とプリズムで装置を作ることができるため、安価な解析装置が開発可能である。 1.成分ごとの吸収強度を計測できるために、混合微粒子系を成分分別することなく、各成分ごとに同時にその微粒子サイズを求めることができます。 2.ATR法とSEIRAの併用により、数μmから数十nmの広い粒度分布の測定が可能になります。 3.測定が容易。微粒子溶液から微粒子をATRプリズムや金属薄膜上に薄く単粒子層程度ドープするだけで、測定可能です。 ●光触媒を可視光線で働かせる新たな技術の開発 も研究中です。 微粒子材料のニーズが高まる現在、その粉径の新しい測定法を開発する研究です。 混合する微粒子を同時に測定でき、従来より 安価な解析装置が開発可能。実用化に向けての共同研究先を求めています。
PDFファイル:7-Nm-yoshidome-eng.pdf