環境 砂防学 火山緑化 地域防災 森林 水 土 火山 緑化 桜島の森林は、火山活動による火山灰や火山ガスの影響を受けて破壊されています。森林が破壊され、地表面が火山灰に厚く覆われた桜島の斜面では、少雨でも多くの土砂が削り取られるため、この土砂が下流では土石流となって被害をもたらします。現在、桜島から削り取られる土砂を少なくするために植物の力をどの程度活用できるのか、また、桜島のような荒れ果てた斜面をどのようにして緑(森林)に戻していくのか、について研究しています。 桜島では、噴火活動によって荒れ果てた斜面から削り取られる土砂を減少させることと、斜面の森林を回復させることを目的に、航空緑化が行われています。航空緑化とは、ヘリコプターを使って空中から種子、苗、肥料などを散布することによって、斜面の植物をより早く生長させる方法です。下の写真は、航空緑化の前(左)と後(右)を比較した同じ場所の写真です。荒れ果てていた斜面が緑に広く覆われています。航空緑化された斜面と、されていない荒れ果てた斜面で、地表面から侵食された土砂の量を測定しています。その結果、航空緑化された斜面での土砂の量は、荒れ果てた斜面の土砂の量の1/100以下でした。現在、植物が回復したことによって、なぜ、削り取られる土の量が減少するのか、また、植物が回復したことによって、生態系がどのように変化していくのかを調べています。緑化前緑化後 ・活火山を有する世界の国々で、火山噴火によって多くの災害が出ています。世界にある活火山のうちの約7%は日本に存在します。火山噴火後の災害を防ぐために、植物の力がどの程度利用できるのか、また、生態系の回復にどの程度寄与できるのか見極めることは非常に重要です。・噴火によって荒れ果てた地は、植物が生きていくには最も厳しい環境です。この環境下で緑に返す方法が確立できれば、他の荒廃地(海岸、はげ山など)にも応用できると考えています。 ●研究成果の学外への還元・「火山学・砂防工学」研修会講師(2002年現在まで)(主催:JICA(国際協力機構))・「キャンプ砂防in桜島」講師(2003年現在まで)(主催:国土交通省) 有数の活火山、桜島の火山活動による荒廃地を緑化することで、災害を防ぎ、生態系を回復する研究。地域の防災だけでなく、国内外の火山災害の防止、さまざまな荒廃地緑化に応用されることが期待されています。
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