農業経営 農業経営学 農産物マーケティング フードシステム 農業経営 企業の農業参入 農業ビジネスプラン 食料マーケットサーベイ 消費財需要の低迷に公共事業の縮小などが加わり、多くの地方企業が苦戦を強いられています。そうした中、かつてない注目を集めているのが農業。食の安全・安心を求める消費者ニーズによる国産農産物の需要増加のほか、農業就業人口の高齢化に伴う耕作放棄地の増加なども好機となり、様々な企業が農業に参入し始めました。本研究は、農業への参入を考える鹿児島県内の企業を対象に、農業参入にあたってのビジネスプランづくりをお手伝いすることを目的としています。 1.SWOT、CSF分析を活用した内部資源およびビジネス環境分析2.企業の内部資源とビジネス環境に配慮した代替案を含むビジネス戦略策定3.関連統計分析、企業・団体・消費者を対象としたヒアリング、アンケートなどを通じたマーケットサーベイ及び品目別収益性分析4.上記のプロセスから得られた最良案のビジネスモデルを提案※図は、昨年行ったIWグループの農業参入モデルづくりプロセスの一部。調査・分析・提案には、ゼミの学生が演習テーマとして全面的に関わりました。クライアントによるビジネスの定義づけ複数品目リストアップ内部資源環境分析ビジネスおよび品目別コスト・ベネフィットシミュレーションマーケットサーベイ(関連企業・組織のインタービューなど)品目・面積確定品目組合せと期待収益の試算OrganizingResources,activitiesWorkgroupAuthorityandresponsibility初期投資資金負担額販売戦略収益性分析実行マネジメントASummaryofMarketSurvey○需要の安定性・成長性の確認※小売サイドにおいて生鮮農産物は国産品による輸入品の代替が済んでいる○今後は労働力が鍵を握る○加工向けについて考慮○労働力の安定的供給は可能か?○コストおよび価格競争に耐えうるか?※差別化しにくい農産物○ニッチマーケットvs系統出荷品目○差別的優位性vs出荷ロットSWOT:組織や個人の強み(strengths),弱み(weaknesses)、機会(opportunities)、脅威(threats)を評価する戦略立案分手法。CSF:経営の目標を達成する上で、決定的な影響を与える要因 1農業サイドの情報を持たない参入企業にとっては、リサーチとプランによりリスクが軽減できます。2マーケットサーベイの過程で、事業に関わりをもつ既存の大規模農業法人、小売企業、JA、食品加工企業などと参入企業を繋ぎ合わせる、ビジネスネットワーキングが構築できます。3研究に参加する学生にとって、問題解決能力を養うほかビジネス実務を学ぶチャンスになります。4平成22年度は南九州市における茶業振興戦略づくりをテーマに、現状の課題解決策を提案します。 1これまで国内外における先進農業経営の事例をベンチマーキングしてきた実績があります。2平成21年度には岩崎グループの農業参入のための戦略サポートおよびビジネスモデル作成に携わりました。3ビジネスプランづくりには、農業経営経済学コースの学生がゼミ教育の一環として活動します。 企業の農業参入するためのビジネスプランを支援する研究。豊富な情報、ネットワーク、学生の斬新なアイデアに期待できます。自治体やNPOとの提携、現在の農業経営の課題解決に向けての戦略づくりにも応用できます。
PDFファイル:6-Ar-Lee-agr2-SDGs11.pdf