・例えば、アフリカチビネズミの成長ホルモン受容体の遺伝子をマウスやヒトと比較したところ、アフリカチビネズミでのみ異なる領域を発見。情報生物学的ツールで解析を行い、この領域がアフリカチビネズミの成長ホルモン受容体の機能に影響している可能性を見出しました。 哺乳動物における体の大きさの調節メカニズムの一端を明らかにできれば、幅広い応用が可能であると考えられます。アフリカチビネズミという新たなバイオリソースから発見した分子メカニズムを医療に応用することで、がん細胞の成長や増殖を抑制する新規治療薬の開発が期待されます。また家畜動物の育種改良へ応用し、個体の大型化につなげることも可能であると考えています。異種間キメラの研究や、他種のゲノム編集動物の作製およびiPS細胞の作製等にも取組みたいと考えています。 ●アフリカチビネズミのiPS細胞を世界で初めて樹立し、キメラ発生への寄与を証明しました。Establishment of African pygmy mouse induced pluripotent stem cells using defined doxycycline inducible transcription factors. 2024. Sci Rep. 14 (1): 3204 極小哺乳類のiPS細胞樹立に成功、動物の大きさを決める分子メカニズムの解明に挑んでいます。本iPS細胞を素材とする共同研究や、ゲノム編集技術を用いて他のiPS細胞・ノックアウト動物の作製等のご要望にも応えられます。
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