木材・森林 木質科学 樹木生理生態学 木質工学 道管形成 葉のフェノロジー 管孔性(環孔材・散孔材) 環境DNA 樹木を生き生きと育てるには、まず、樹木がどのようにその場所に適応し、生育しているのかを知ることが大切です。森林を形成する様々な樹木の葉の開き方と、顕微鏡レベルでの細胞構造の変化との関係を、季節を追って調べることで、樹木がどのように成長しているのかを明らかにする研究を行っています。森や樹木を健全な状態に保つにはどうしたら良いのか、生育環境に合った樹木の育て方、さらに樹木の適切な利用方法について、日々考えながら研究を進めています。 【研究の方法】森林・樹木に関する調査について、様々なスケール(図1~4)を駆使して研究を進めています。実際に森林に入って葉のフェノロジー(季節変化)を調べたり(図3)、試料を採取して薄くスライスして染色したプレパラートを作成し、顕微鏡で観察しています(図4)。【この方法で明らかになること】・樹木の種類によって葉が開く時期や幹が太り始める時期が違うことに着目し、どのような場所で、どのような木材構造を持った樹木が、どのように生育しているかが明らかになってきています。・樹木がイレギュラーな木材・組織を形成する時、その組織の特徴と外部環境との関係を明らかにする研究に取り組んでいます。・環境DNAを用いて、環境中の植物をはじめとした生物の評価に取り組んでいます。 各地の様々な樹木を対象に、季節による葉の開き方の変化と樹木に形成される道管(吸い上げられた水分が通る管)の構造との関連を経年で追跡調査しています。樹木の生き様を知ることで、樹木の育て方、利用方法、樹木との付き合い方がわかってきます。森林は木材生産だけでなく二酸化炭素の吸収源としての重要性が注目されています。健全な森林の育成は、環境保全や生物多様性の維持にも役立ちます。水や空気中に在在するDNAから生物を解析する環境DNAの研究にも取り組んでいます。 ●細胞から生態系まで、色々なスケールで「木」を調べています。木の内部を見たい方、樹木の成長・生態系との関係を知りたい方は、ご相談ください。●海水からウナギや魚類、クラゲの環境DNAを解析した実績もあります。 様々な樹木を対象に環境変化と生育状況との関連を調査・分析。木の育成法・利用法への応用を目指します。鹿児島での研究の新展開にも期待。森林・樹木に関する出前授業やセミナー等にご協力できます。ご連絡ください。
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