神経保護効果 予防医療 理学療法学 中枢神経疾患 神経科学 リハビリテーション 予防運動 RIPC 神経保護効果 脳卒中 疾病予防 運動療法 超高齢社会を迎え、寝たきりの原因となる脳卒中の発症率が増加しています。その6割を占める脳梗塞の急性期治療には4.5時間という投薬の時間制限があり、9割の患者さんは間に合いません。そのため脳卒中の予防には発症だけではなく、重篤化も予防する方法の開発が必要です。我々は予防運動と遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC:Remote ischemic preconditioning)を組み合わせ、本来体の中に備わっている神経保護機能を活性化させる新規予防法の開発を行っています。 身体には傷害に対して修復しようとする内在性の機構が備わっています。我々は予防リハビリテーションの視点から脳卒中予防あるいは発症後の傷害を軽減するために、予防運動とRIPCによる脳に対する神経保護効果のメカニズムの解明や最適な介入方法について研究しています。RIPCとは、腕や大腿部を一時的に縛り、圧迫と解放を繰り返し行う方法であり、神経保護効果が獲得できると報告されています。現在、ラットの両大腿部や尾にカフを巻いて基礎実験を行っています。さらに、人での基礎データを同時に収集しています。 脳卒中の予防(発症、重篤化)には神経保護効果が重要です。運動により神経保護効果が獲得できることは明らかですが、時間や強度など一定の条件を満たすことが必要です。一方でRIPCは本人の努力なく保護効果が得られるため、発症後の重篤化の予防や、予防運動と併用することで短時間の軽い運動でも十分な神経保護効果を獲得できる可能性があります。今後、臨床応用も視野に入れ、予防分野だけでなくリハビリテーション領域や急性期医療への発展も期待して、研究を行っていきます。 ●北海道大学と共同研究を行っており、運動による脳保護効果に関する論文を多数報告しています。●企業や医療施設との共同研究も行い、基礎研究だけでなく臨床研究も同時に進めています。 RIPCを脳卒中の予防に用いる研究。運動と組合せた効果的予防法の開発を目指しています。人でのデータを収集できる協力機関を求めています。健康・運動機器等への応用も可能。連携に興味のある方は、ご連絡ください。
PDFファイル:37-Mf-sakakima_ohtsuka-med-SDGs3.pdf