医療・福祉 リハビリテーション 運動療法 理学療法 運動療法 動作分析 歩行分析 筋張力 関節反力 ウェアラブルセンサ  脳卒中や運動器疾患に対する運動療法を行うためには、運動中の関節や筋肉への負荷を知る必要があります。しかし、それらの情報は少ないのが現状です。また、歩行などの運動を測定するには、通常モーションキャプチャシステムを用いますが、測定環境や測定時間の制約が大きいため、研究室での使用にとどまります。我々は、筋骨格モデルを用いて、動作中の筋と関節への負荷を定量化すること、ウェアラブルセンサを用いた簡便な動作分析法を確立することを目的に研究を行っています。 ●筋骨格モデルによる動作分析 筋骨格モデルとは、筋肉の走行と骨格を数学的に表したソフトウェアです。このモデルに動作データを入力すると、運動中に筋が発揮する張力や関節にかかる力を知ることができます。現在、我々はリハビリテーションで運動療法として用いられる運動を中心に研究を進めています。運動をデータ分析することで、関節に過負荷とならない運動療法や、弱化している筋に対する適切なトレーニングを選択することができます。●ウェアラブルセンサによる動作分析 モーションキャプチャによる動作分析は、関節に反射マーカを貼付して、複数の赤外線カメラで測定を行うため、測定環境・時間に制約があります(左写真)。 一方、加速度計、角速度計などを内蔵したウェアラブルセンサは、持ち運び可能で運動も制約しないため、屋外など様々な環境で利用可能(右写真)。我々はウェアラブルセンサを用いて、リハビリテーション現場で利用可能な動作分析について検討しています 筋骨格モデルを用いた分析は、視覚的な分析では知ることができない筋肉・関節への負荷を定量化することができます。また、ウェアラブルセンサは環境の制約を受けることなく様々な運動を、簡便に定量化することが可能です。現在は、リハビリテーションで用いられる運動療法や歩行を中心に研究を進めていますが、様々な環境での運動に応用可能です。今後は医療分野だけではく、介護・福祉分野やその他の領域の運動にも分析対象を広げていきたいと考えています。 ウェアラブルセンサは臨床場面での動作の分析に適した装置です。現在は、バイオフィードバック療法や、電気刺激装置と組み合わせて治療効果を評価する研究に取り組んでいます。バイオフィードバック療法:通常、知覚・制御できない生体情報を見える化することで本人が意識的に生理反応を制御する訓練を行う治療法 効果的なリハビリを科学的かつ手軽に行うための研究。実現すれば病院や介護施設などの現場で利用できます。介護予防や治療の効果測定にも応用可能。工学系の会社や技術者、研究者等との連携を希望しています。
PDFファイル:33-Mf-kiyama-med.pdf