体力科学 体力科学 子どもの体力 体力低下 体力向上 運動の二極化 私の研究テーマは「児童生徒の体力・運動能力」と「柔道の授業づくり」です。ここでは児童生徒の体力・運動能力の研究について紹介します。近年、子どもの体力低下が問題視されています。その背景には、運動する子とそうでない子の二極化の問題や子どもを取り巻く生活環境の変化などが内包されています。そこで、様々なデータを活用して体力の時代差・地域差・個人差を発生させる要因を明らかにして、今の時代にあった体力向上への取り組みについて検討しています。 1.体力合計点の経年変化我が国では1964年から国民の体力・運動能力の現状を明らかにすることなどを目的として、子ども(小中高)を対象とした体力・運動能力調査が毎年実施されています。そのデータを活用して作成したのが右のグラフ(上)です。1985年のピークから徐々に低下、2002年から上昇に転じたもののコロナ禍で低下し始めた状況が明らかです。グラフに反映されるデータから統計的に時代差を明らかにして、それぞれの時代に影響を与えた要因を検討しています。2.子どもの体力の時代差に影響を与える要因体力の時代差に影響を与える要因は、子どもを取り巻く社会や生活環境の変化だと考えています。ゆとり教育やスポーツ振興基本計画等教育施策の変更の他、家庭環境や男女差など環境要因となり得る様々なデータを収集し、多角的に検討しています。体力に影響を与える多様な要因を明らかにすることが必要だと考えています。3.子どもの体格の経年変化子どもの体力合計点は低下している一方、体格(身長・体重)はサイズアップしています。体力・運動能力調査が実施された1964年以降の10歳児の身長の経年変化を右のグラフ(下)に示します。このような経年変化は中学生でも同じです。体格が大きくなっているが体力合計点は下がっているという現状を問題視しています。 上記は研究内容の一部ですが、講演会や研修会では「世帯収入やスポーツ少年団加入の有無による二極化」「種目別の向上・低下の差異」「体育・運動に関する生徒の意識」など様々なデータをテーマに合わせて参加者にお伝えすることが可能です。研究によって得られた知見を共有しながら、子どもの体力向上に共に取り組むことができます。教員研修の充実等により、子どもの体力が向上した大分県の例もあります。健康寿命にも影響する、子どもの体力向上に貢献したいと考えています。 ●スポーツ庁、県内外の自治体で委員等を務め、教育講演会や指導主事・管理職研修会、校内研修会などの講師やアドバイザー等を行っています。●教員免許状更新講習では受講者(延べ800名)から4段階中平均約3.9の高評価を得ています。 子どもの体力に時代差・地域差・個人差を発生させる要因を、多角的に分析した講演が人気です。教員(幼少中高)、スポーツ少年団の指導者、PTA・保護者などが対象。地域の体力向上に共に取り組みます。ご相談ください。
PDFファイル:29-Ec-yogi-edu-SDGs3.pdf