医療・福祉 子宮頸がん HPV HPVワクチン CIN 広汎子宮頸部摘出術 子宮頸がん 子宮頸がん HPV 子宮がん検診 広汎子宮頸部摘出術 センチネルリンパ節生検 子宮頸がんは若い女性に多く発症し、30代、40代の女性では乳がんについで多いがんです。ある程度進行した子宮頸がんがみつかると、やむなく子宮を摘出する必要が出てきます。一方、日本では晩婚化、出産年齢の高齢化が着実に進み、治療後も妊娠・出産を望む患者さんが多い現状があります。当科ではこのような場合に、子宮頸部だけを摘出することで、妊孕能(にんようのう:妊娠できる能力)を温存する手術法の標準化を目指した研究を行っています。 ●子宮頸がんに対する治療法と合併症 子宮頸がんの治療法は主に手術と放射線治療です。 ある程度進行した子宮頸がんに対しては、広汎子宮全摘出術という手術を行います。術後は子供が産めなくなるだけでなく、尿が普通には出なくなる「神経因性膀胱」といった排尿障害や、足が腫れる「リンパ浮腫」等の合併症が起こりやすい手術です。●円錐切除術と広汎子宮頸部摘出術 早期の子宮頸がんに対しては、以前から円錐切除術という手術法が行われてきました。腟から子宮の下の方の頸部を円錐状に削るような手術です。 妊孕性を残す事が出来る手術法ですが、顕微鏡レベルのがんしか直すことが出来ません。それ以上に進んだがんに対しては、子宮を摘出する方法しかありませんでした。 我々は、2014年より4cmまでの子宮頸がんに対して、子宮頸部を摘出し、温存した子宮体部と腟を接合する広汎子宮頸部摘出術を行っています。●広汎子宮頸部摘出術のメリット すべての子宮頸がん患者が広汎子宮頸部摘出術の対象となる訳ではありません。これまでに広汎子宮頸部摘出術を希望して当科を受診された30数名の患者の内、約2割は大きさ、部位、癌の種類、リンパ節転移があるなどの理由で適応外となりました。子宮(体部)と卵巣があれば妊娠は可能ですので、広汎子宮頸部摘出術ができれば将来の妊娠・出産の可能性が出てきます。子宮頸部と腟上部を周囲の組織と一緒に摘出します子宮体部と腟をつなぎます 当科では同時に研究として、センチネルリンパ節生検を行っています。最初に転移が起こると予想されるリンパ節(センチネルリンパ節)だけを同定・摘出し、その他のリンパ節を摘出しない方法です。また、排尿に関連した神経を温存する術式にも取り組んでいます。これらの工夫により、手術による切除を最小限に抑えて機能を温存することで、術後の合併症を少なく出来ると期待されています。とくにセンチネルリンパ節生検は、標準的治療となることが期待できます。 ●子宮頸がんは性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となって発症します。本学理工学研究科・隅田研究室との共同研究で、ナノテクノロジーを用いてHPVを簡便に検出する検査法の開発にも取り組んでいます。 子宮頸がんに対する「広汎子宮頸部摘出術」を行う病院の一つとして、手術法の確立に取組んでいます。一定の基準を満たせば妊娠・出産の機能を温存する手術が可能です。術後の合併症を抑える術式の研究も進めています。
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