学級崩壊 臨床心理学 学校心理学 学級の荒れ 学校の荒れ 生徒指導 多層支援 いじめ防止対策推進法 授業中に席を勝手に立ったり,ルールを守ることができない子が複数存在し授業が成立しない状態は「学級の荒れ」と呼ばれます。教室や学校が教育の場として機能しなくなると,いじめ,暴力,不登校,学力低下など様々な問題が生じる悪循環に陥ります。学級や学校の状態を,より良いプラス方向へ持っていく研究はありますが,マイナスをゼロに回復させるための知見は不足しています。学級・学校・地域を包括的に関連付けて,どのように荒れを回復させるのか,その支援を目的としています。 1.生徒指導システムや学校組織への参画に関する研究文部科学省の示した「チーム学校」においては,スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)といった専門職の活用が重要です。学校はSCをどのように活用し,SC側はどのように学校へ入って効果的に活動を展開できるようになるのかに関する調査,実践研究を行っています。2.学級の荒れからの回復の支援学級の荒れの回復には,問題行動が個人と集団との関係の中でどのような原因で生じているかを見極め,集団の課題に歯止めをかけながら個人の成長を促すための支援と,問題を起こさずに普通に授業を受けている大多数の生徒を支えながら集団の成長を促すための支援が必要です。こうした個人と集団の両方を介入対象とした多層的な支援の在り方について実践,研究しています。3.効果的な多層支援と生徒指導システムへの支援専門職は、集団全体を対象とした予防,成長促進的な支援(1次的支援),それでは支援が不足する子への選択的支援(2次的支援),さらに個別の配慮や支援を要する個別の支援(3次的支援)を同時に効果的に組み合わせて実施する必要があります。いじめに対する学校や行政の責務を定めた「いじめ防止対策推進法(2013年施行)」を活用し,学校だけでなく教育委員会や行政も巻き込んだ地域での包括的な支援の在り方について研究しています。 これまでの研究の蓄積をもとに,以下の応用が可能です。①専門家を配置するための予算を、より効果的に活用するための方策②学級の荒れにともなういじめ,不登校,学力低下,教師の休職等の問題への早期対応③効果的な多層支援を行うための、生徒指導システムの改善以上の応用により,生徒指導上の諸問題の未然防止,早期発見,事案対処への効果が期待されます。 学校における問題の中でも、学級の荒れは複合的な問題と悪循環を引き起こします。早期に介入することで、悪化を防げます。「チーム学校のおけるスクールカウンセリングと小学校の学級の荒れの回復」吉村隆之(2018)心理臨床学研究、36 学級崩壊等の問題に、効果的に介入し支援するための研究。SCとして関わる中で得られた知見を基に、小中学校が専門職を効果的に活用し、問題を改善する方法を提案します。教育現場からのご相談に対応できます。
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