品質管理 食糧管理分析 高齢社会 生鮮刺身 コンビニ 水産物の品質管理 「近くのコンビニでお刺身を買えたらいいのに」と思っている主婦やご高齢の方は多いはずです。販売できない理由は、コンビニではお刺身の品質や安全性をきちんと管理できるか不安だからです。私たちはMA貯蔵を用いることで、お刺身の消費期限を延ばし、消費期限内で品質や安全性を確保する新たな品質管理の指標づくりを研究しています。通常のコンビニの流通・販売経路に乗せて、新鮮で美味しいお刺身を安心して買える消費期限の設定を可能にします。 MA(Modified Atmosphere)貯蔵は脱酸素剤を用いた貯蔵法で、かつお節の窒素置換による褐色防止と風味の保持、お菓子のカビ防止など、私たちの身近なところで活用されています。お刺身で脱酸素剤を使用する際は独自の工夫を必要としますが、鮮度を保ち良好な品質管理ができると考えています。以下、カンパチを例に本研究によるMA貯蔵のメリットを挙げます。(1) 血合肉の色が褐色になるのを抑制する。(右図)(2) 脂質の酸化が抑えられ(TBARS*1)、臭いの変化も少ない。(3) 細菌数がMA貯蔵により、1/100 程度に抑制される。(4) 刺身の指標であるK値*2に影響はなく、シミュレーションが可能。(6℃貯蔵で、4日後にK値は20程度)*1 TBARS = 脂質の酸化指標のひとつで、臭いの低下とも関連している。(右図)*2K値= 魚の鮮度判定に用いられる指標で、鮮度のよい刺身は20程度以下とされる。ブリやマダイ、マグロなど数種のお刺身でも効果があることが分かりました。魚種に応じて安全性を考慮した消費期限を設定することで、コンビニでもお刺身をお弁当と同じように販売できると考えています。 水産物の品質や衛生管理では、MA貯蔵に加えて温度管理が重要です。本研究では冷蔵試験において、MA貯蔵の安全性や臭い、K値などから刺身としての可食日数を調べ、安全係数を乗じて、いくつかの刺身で消費期限を設定しました。コンビニでのお刺身販売は、ご高齢者向けにコンビニでのお刺身の販売を高齢者のマーケット拡大が期待できます。また、トレーサビリティーシステム(同シーズ集)と組み合わせることで、スマホを端末とした商品管理を実用化することも想定しています。 脱酸素剤による生鮮魚のMA貯蔵では、Webによる品質管理システムも合わせて、特許を申請しています。お気軽にご相談ください。【特開2018-203439】生鮮物管理方法及び生鮮物管理装置 脱酸素剤を用いるMA貯蔵を鮮魚に適用。研究成果による消費期限を設定することで、刺身のコンビニ流通を可能にする研究。コンビニや生産者との連携で、実用化を目指しています。お気軽にお問合せ下さい。
PDFファイル:21-Fd-kaminishi-fish.pdf