ナノテク・材料 材料工学 材料技術 金属 セラミック 複合材料 組織 材料分析 焼結 強度 破壊 環境因子 近年、鹿児島の天然資源であるシラスの利用法に注目が集まっています。しかしその利用形態の多くは粒子状で、応用範囲が制限されています。我々の研究室では新しい方法を用いてシラスやシラスバルーンを焼き固め、火山性ガラスの特徴を生かしたシラス製品の作製を試みています。また、鹿児島県工業技術センターとも長年連携を組み、鹿児島・九州にちなんだ独自性のある機能性材料の開発や地元企業との研究会を通じて各社の技術課題を解決する活動を、地域と共に推進しています。 1スパークプラズマ焼結(SPS)の応用SPSでは低電圧、大電流のパルス通電による加熱で、低温で数分程度のごく短時間で迅速に粉末の焼結が行えます(図1)。この技術を利用すると、鋼とジルコニアの複合材料(図2)のように、金属、セラミックの微細組織の焼結ならびに異種材料の複合、接合、傾斜機能化などが行なえます。従来にない、あるいは作製が困難だった新素材の開発が可能です。圧力真空チャンバーパルス電流(~10V)粉末黒鉛型2材料の変形・破壊と組織本研究室では、金属単体、セラミック単体、金属・セラミック接合材、各種複合材、薄膜材料の強度を引張、曲げ、硬さ試験など、材料の組織の観点から調べています(図3)。共同研究で金属の疲労破壊についても調べました(図4)。3地元企業との研究会を開催図1SPSの原理図2高強度鋼(紺色)とジルコニア(他の色)の複合材料き裂の進展20mm材料開発と製造技術に関する基礎的事項を、企業の皆様と一緒に学ぶ「かごしま材料学研究会」を立ち上げました。市場価値のある製品・技術の開発へどのように発展させていくかを考えてまいります。図3ガラス基板に蒸着した厚さ40nmの金薄膜の、き裂先端におけるボイド発生によるき裂進展の様相図4高湿度で疲労強度が低下するマルエージング鋼で発生する脆性型のき裂 スパークプラズマ焼結(SPS)は全く新しい材料を作れる可能性を秘めています。例えば粉末の形状・構造を保持したシラス・シラスバルーンの低温焼結材は、本研究室が初めて作製に成功しました。SPSは小型の製品しか作製できませんが、材料開発のプロトタイプ(*1)研究、特殊用途製品のニアネットシェイプ(*2)に適しています。また「かごしま材料学研究会」という企業の方々との勉強会を開催しています。様々な材料の作製や組織、強度の改良に取り組んだ経験をお役に立てられると幸いです。*1:プロトタイプ=試作品。原型。*2:ニアネットシェイプ=完成品に近い形状に成型すること ●かごしま材料学研究会:企業を主体とする勉強会を平成26年9月に発足。平成28年3月現在、55社が参加し、鹿児島県工業技術センターとの共催も含め5回の講習会を行ないました。勉強したい課題やテーマがありましたら、お知らせください。 地域特有の資源から新しい材料を作り出す研究を推進。鹿児島県工業技術センターと連携し、企業の材料開発・製造技術における課題解決を図る研究会を開催しています。共同研究等へ発展するテーマをお待ちしています。
PDFファイル:2-Nm-nakamura-eng.pdf