日本近代史 軍隊と社会研究 マス・コミュニケーション研究 海軍 地域社会 地方紙 占領期 進駐軍 進駐軍 研究の目的は、明治以降の軍隊と地域社会のかかわりをPR活動という視点から描き出すことです。ここでいう軍隊には旧日本軍だけでなく、戦後の自衛隊も含みます。「軍隊は何を伝え、国民はどう受け止めたのか」について、主に公文書や新聞等を利用して研究してきました。戦後80年に近づく現在、戦前戦中はもとより占領期以降の軍隊と地域社会とのかかわりを解明するための記憶や記録も失われつつあります。これらをどのように収集し継承していくのか、が現在の大きな課題です。 1)戦前期の日本海軍によるPR活動についての研究徴兵中心の陸軍と異なり、志願兵を重視した日本海軍は、募兵のためにも戦前から熱心にPR活動を行っています。これまで講話や軍艦見学・便乗、軍楽隊による演奏会などを事例に研究してきましたが、戦前の海軍によるPR活動は多岐にわたります。PR活動の全体像を浮き彫りにするため、研究を進めていきます。2)戦前~占領期のマス・メディアに関する研究近代以降はマス・メディアの時代でもありました。戦時下における広告業界の活動、占領期に雨後の筍のように創刊された雑誌など、マス・メディアの歴史にかかわる研究について、資料紹介などを含めて発信しています。3)戦争・軍隊にかかわる地域の人々の記録・語りの調査戦後70年を過ぎ、戦争や軍隊と地域に暮らす人々とのかかわりを示す記録や記憶は散逸し、失われています。これを収集・調査し、デジタルアーカイブなど、どのように継承・活用していくのかについて研究・実践していきます。 鹿児島は特攻との絡みで戦争や軍隊が語られることが多い地域ですが、そもそも鹿児島は近代日本において最も多くの陸海軍人を輩出した地域の一つであり、また戦後の進駐軍上陸や自衛隊の基地設置など、特攻以外にも軍隊と地域社会とのあり方を考えるポイントが数多くあります。また地域の歴史を知るうえで地方紙など地域メディアはとても貴重ですが、DB化は困難で利用に多くの制約があります。これらの資料を収集し、地域の方々に広く利用してもらいたいと考えています。 ●「鹿児島の近現代」教育研究センターは、地域に眠る資料の収集・研究・公開を目的に設立されました。鹿児島を広く国内外に発信するとともに、知識の地域活用を目指し、協同していただける方々や団体と一緒に活動していきます。 近現代の軍隊と地域社会の関わりをPRの視点から分析。当時の広告やマスメディアの研究も行っています。戦中・占領期の記録収集にご協力は不可欠。自治体・団体・個人のご連絡をお待ちしています。講演等の協力も致します。
PDFファイル:17-Hu-nakajima-lehc.pdf