焼酎粕 漁具漁法 漁具設計 焼酎粕 漁業用餌料 焼酎粕 アミノ酸 かご漁業 バイオマス 現在の漁業用餌料には人間の食料となるサバ類,イワシ類などが使用されています。近年,水産資源が減少している一方で,健康食ブームによる水産物需要が高まっていることから,食品残渣などを有効活用した代替餌料の開発が求められています。焼酎粕には,魚類を誘引するアミノ酸成分などが多く含まれていることから,これらを有効利用して,新たなリサイクル餌料の開発に取り組んでいます。 焼酎粕餌料の作製方法はじめに真水を煮沸させ,その中に寒天末を混ぜて十分に溶かします。その中に焼酎粕を加え,冷蔵庫で冷却して固化させて,焼酎粕餌料が完成します。焼酎粕餌料の試験操業焼酎粕餌料と従来の冷凍魚(冷凍マサバ)による漁獲特性の違いを調べるために,鹿児島県および大分県の沿岸で,漁業者の協力を得て,かご漁具を用いた試験操業を行ないました。試験操業の結果,マダコ,カサゴ,イシガニなどが漁獲され,これらの魚種に対して焼酎粕餌料は冷凍マサバとほぼ同等の漁獲性能を持つ可能性が示されました。焼酎粕を固化させた餌料焼酎粕餌料で漁獲したマダコ 焼酎粕に含まれるアミノ酸成分を濃縮させることで,濃度の高いアミノ酸溶液を生成し,これを固化することで,誘引効果を高める工夫を進めています。従来の冷凍魚では不可能であった常温での保存を可能にして,漁業者が取り扱いやすい餌料へと開発をしていきたいと考えています。 ●未利用バイオマス資源である焼酎粕を用いた新たな漁業用餌料を開発することで,貴重な水産資源を餌料として使う漁業からの転換を図り,また,焼酎業界の経営上の課題でもある焼酎粕処理に対しても貢献したいと考えています。 焼酎粕から漁業用餌料を開発。マサバと同等の漁獲性能を持つ可能性も示しています。さらに誘因効果を高め、常温保存も可能になれば、水産資源保護と未利用バイオマス活用を両立できる画期的な研究です。
PDFファイル:14-Fd-ebata-fsh.pdf