超音波ラジオ 情報通信 福祉工学 脳・神経科学 ユニバーサルデザイン 聴覚 音声 脳内時間 リズム タイミング 音波は空気など物質の振動で音声を伝えるため、電波と異なり大容量のデジタル通信には不向きです。しかし「波長が短くヒトの耳に聞こえない」という超音波の特徴を活かせば、「今までにはなかった情報提供の手段」を実現できます。西村研究室では聴覚の基礎研究の成果を応用し、 新しい音声変換方法と超音波による情報伝送の方法を確立しました。この“超音波ラジオ”を様々なスポットに配置することで、視覚障害者のための自立支援機器・サービスとして応用する研究を行っています。

超音波を使うことで、情報が不要な健常者を煩わせることなく、狙った場所(スポット)で

狙った相手のみへの音声伝送を実現する。視覚障害者は“スポット”での音声案内が利用できる

のみならず、「スポットの向き」や「スポットとの距離」の変化を感じ取ることができる。

赤信号に変わるまでの時間等、交差点でのタイムリーな情報提供や

駅ホーム等での危険回避の手段・社会インフラとして活用

この半世紀、視覚障害者向けの点字案内、音声案内はほとんど進歩していません。また、国内外をみても盲導犬の普及は限定的です。“超音波ラジオ”は交差点や駅ホーム等でタイムリーな情報を対象者にだけ送ることが可能です。新しい機器・サービスが社会インフラとして普及すれば、視覚障害者の行動範囲を拡げ、生活を今より安全安心で豊かなものに変えることができます。超音波による情報伝送はスマホなど既存の電子機器で利用できるため、障害者自立支援以外での応用も期待されます。 ●関連特許出願中(特願2024-092430)●スマートフォンの新たな利用方法の提案●騒音・雑音を含む音響全般の解析・設計技術(ソフトウェアおよびハードウェア)に関する共同研究や共同開発が可能です。●JST等の助成に採択されて研究を進めています。 聴覚など脳科学の研究を応用した機器・アプリの開発に取組んでいます。超音波ラジオの実用化に向けて、放送設備や受信デバイスの開発に協力いただける企業を募集中。音に関わる分野での共同研究等にも対応できます。
PDFファイル:13-It-nishimura-eng-SDGs3.pdf