食品・化粧品 食品機能学 果樹園芸 生化学 細胞化学 分子生物学 鹿児島在来カンキツ 美白効果 九州最南端にあり南西諸島を有する鹿児島は80種を超える在来カンキツの宝庫です。その機能性や果実特性等については未解明の点が多く、世界に類を見ない貴重な遺伝資源でもあります。しかし近年では新品種への改植などで減少が続いており、一部は絶滅の危機にあります。本研究は機能性と遺伝資源的特性の観点から、鹿児島在来カンキツ特有の付加価値を見出し、これらの高度利用化の促進、遺伝資源の保全への貢献を目的としています。未利用資源の有効活用も試みています。 (1)機能性付加の研究では、各種の鹿児島在来カンキツの様々な機能性を科学的分析手法を用いて評価・証明に取組んでいます。現在、美白効果が判明、更なる機能性を探索中です。在来カンキツ類の高付加価値化を行っています。(2)遺伝資源保全の研究では、在来カンキツの栽培・現地調査および基本的果実特性(大きさ、色、糖度、酸度等)や遺伝的特性の解明を網羅的に行っています。(1)・(2)の研究から、各カンキツの機能性や類縁性、多様性を解明し、果実利用の基礎情報を得ることで、高度利用化の促進、遺伝資源の保全に役立てていきます。 注目されていなかった南西諸島固有のカンキツ類が、メラニン生成酵素「チロシナーゼ]活性を阻害することで美白効果を示すことを明らかにしました。在来カンキツには健康・美容に資する様々な機能性が予測され、種によって発現の仕方も異なるため多様な角度から検証を続けています。個々の特性や機能が解明できれば、機能性食品や化粧品などの素材として6次産業への展開が可能になります。地域の作物栽培・利用産業の成長と貴重な遺伝資源の再活性化につながることが期待されます。 ●美白効果に関して特許を申請しました。 WO2022/210522●新たに発見される機能性等については、随時特許申請を行っていきます。鹿児島在来カンキツの保全と高度利用のための基盤づくりを目指します。 豊富な鹿児島在来カンキツの機能性を明らかにし、高度利用・特産品化を目指す研究。島や地域に存在する、個々の在来種に特有の機能性成分の抽出を行なっています。食品・化粧品等様々な企業との連携を求めています。
PDFファイル:13-Ab-yamamoto-kou-sakao-agr3-SDGs15.pdf