医療・福祉 消化器外科学 消化器がん 分子生物学 消化器癌 センチネルリンパ節 リンパ行性転移 リンパ節微小転移 免疫組織染色 RT-PCR 早期消化器癌に対する内視鏡切除術は機能温存の観点から優れた治療法ですが、この治療法を選択する上でリンパ節転移の有無が重要な因子となります。しかし術前画像診断によるリンパ節転移診断には限界があり、通常の病理検査では発見されないリンパ節微小転移も存在します。そこで我々は既に乳癌において臨床応用されているセンチネルリンパ節の概念を消化器癌に導入し、術中に微小転移を含めたリンパ節転移診断を行うことで安全な縮小手術を確立することを目的として研究しています。 センチネルリンパ節理論とは?原発巣縮小手術:臓器やリンパ節の切除する範囲を縮小して体への負担を少なく、かつ根治をめざす手術センチネルリンパ節手術の実際の手技薬剤注入薬剤分布の検出センチネルリンパ節センチネルリンパ節同定腫瘍センチネルリンパ節薬剤注入された腫瘍●●●センチネルリンパ節とは、癌(原発巣)から最初のリンパ流を受けるリンパ節センチネルリンパ節から癌の転移が形成される手術前日に内視鏡下に腫瘍周囲に放射性薬剤を注入センチネルリンパ節に転移がなければ、それ以外の薬剤注入後の特殊撮影(リンフォシンチグラフィー)医療用ガンマ線検出器を用いてセンチネルリンパ節を手術で同定し、摘出するリンパ節にも転移は無い分子生物学的手法遺伝子学的手法(サイトケラチン免疫染色)(RT-PCR)リンパ節転移診断*摘出したリンパ節の転移検索通常の病理学的検査リンパ節内の微小転移巣特殊検査(分子生物学的・遺伝子学的手法) *センチネルリンパ節に転移がなければ、リンパ節郭清(除去)を省略する低侵襲治療:なるべく体に傷を付けずに行う、内視鏡などによる治療我々は、これまで多くの消化器癌症例において微小転移を含めたリンパ節転移診断を行い、センチネルリンパ節理論の良好な結果を報告してきました。センチネルリンパ節理論に基づき個別の症状に応じたリンパ節郭清ができれば、根治性と共に安全性も担保された機能温存手術が可能となります。今後はセンチネルリンパ節理論に内視鏡治療を組み合わせ、さらなる低侵襲治療を行う予定です。分子生物学的手法等を用いた特殊検査による、正確な術中微小リンパ節転移診断の確立も目指しています。 ●当研究は、高度先進医療として厚生労働省から認可されています。●当教室からこれまでに本研究に関する英誌論文発表を16篇、また数多くの国際・国内学会発表を行っており、本研究に関する海外留学も積極的に行っています。 早期消化器癌のリンパ節転移診断を正確に行うことで、切除を最小限に抑え、機能を温存しながら根治を目指す治療法の確立が目的。内視鏡手術では先駆的存在です。個々の症例ごとに最適な治療の提供を目指しています。
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