エコ材料 環境地盤工学 環境科学 舗装工学 土木材料 エコ材料 インターロッキング エコブロック ヒートアイランド現象緩和 低炭素化社会 省エネ 九州には特殊土といわれる地盤が多く存在しています。特に鹿児島県本土の約50%と宮崎県南部を含む南九州一帯に広く分布する「シラス」を地域資源として有効に活用する研究です。「シラス」のもつ吸水性や保水性を利用した軽量基盤材、また、路上や屋上・壁面の温度上昇を防ぐことでヒートアイランド現象を緩和する被覆ブロック材の開発と製造方法の実証研究を目的とします。 ●シラスは,農業生産のための基盤材、緑化基盤材など土木・地盤材料としての利用はもちろん、工業製品、医療・化粧品などにも利用され始めています。ここでは,環境に優しいエコブロックの製造に関する研究内容を紹介します。従来のインターロッキングブロックは、使用材料として、セメント、水、天然砂を利用しています。本ブロックは、海・川砂の代わりに、南九州一帯に無尽蔵とも言われるシラスを使用して製造されています。これら軽石を多く含む多孔質なシラスを使用することで、保水性能、透水性能を付加することが可能となり、ヒートアイランド現象抑制効果も期待できる環境にやさしいブロックです。また比較的軽量であることから屋上での利用も可能です。路上利用においても、雨水が浸透し易く一次貯留機能により,河川への流入を遅らせることで、洪水緩和にも有効なブロックです。また、固化したシラス被覆改良土の防草効果についても検証する予定です。可視画像芝緑化基盤エコブロック現状シラスセメント系++添加剤(砂質土)固化材屋上緑化実証実験54.9℃51.948.945.942.939.9街路樹周囲の防草効果36.9熱赤外線画像34.0赤外線サーモグラフィによる遮熱効31.0果の検証団粒構造ブロック化 ●ヒートアイランド現象の緩和(集中豪雨・熱帯夜など局所的な異常気象の軽減)●地域資源としてのシラスの有効利用(地域産業の創出)●建物の屋上などの長寿命化対策,建物内の省エネ対策(低炭素社会の実現)●透水・吸収性のブロックによる洪水緩和抑制(水害防止)●街路樹周辺や未利用地の防草対策・管理の軽減効果(景観形成・環境保全) ●建設会社や建設コンサルタントとの共同研究によって,建物軽量資材としてのエコブロック化の開発を進めています。サンプル製造による実証実験,屋上被覆材としての検証が今後の課題です。 無尽蔵にあるシラスを材料に、軽量資材エコブロックを開発する研究。ヒートアイランド現象の抑制、水害防止などの効果が期待されます。今後の共同研究で新たな特長・用途が検証され、実用化が待たれるところです。
PDFファイル:10-Ev-hira-agr.pdf