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プラズマ殺菌装置

国内特許コード P180015407
整理番号 (S2016-0101-N0)
掲載日 2018年11月5日
出願番号 特願2017-547843
出願日 平成28年10月27日(2016.10.27)
国際出願番号 JP2016081799
国際公開番号 WO2017073641
国際出願日 平成28年10月27日(2016.10.27)
国際公開日 平成29年5月4日(2017.5.4)
優先権データ
  • 特願2015-212715 (2015.10.29) JP
発明者
  • 柳生 義人
  • 三沢 達也
  • 作道 章一
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
  • 国立大学法人佐賀大学
  • 国立大学法人琉球大学
発明の名称 プラズマ殺菌装置
発明の概要 農産物のような様々な立体的形状を有する殺菌対象物に対しても、緩和な条件で損傷を防止して品質を劣化させずに、均質的な殺菌を可能とするプラズマ殺菌を行えるプラズマ殺菌装置を提供する。
プラズマ殺菌装置は、導電性を有する殺菌対象物に対して電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段から印加される電圧を前記殺菌対象物に対して誘電体を介して放電状態で印加する一対の電極と、前記一対の電極と前記殺菌対象物との相対位置を変化させる位置変化手段とを備えて構成される。
従来技術、競合技術の概要

プラズマを用いて対象物の殺菌を行うプラズマ殺菌は、その用途が多岐にわたっており、その応用分野は拡大の一途を辿っている。その応用分野として期待されている分野として、農業分野における農産物の殺菌がある。

農業分野では、現在の世界的な農産物の輸出入緩和の傾向に伴って、今後は、農産物の長距離輸送が大いに活発になることが予想されている。

農産物は、その外皮表面に様々な菌類が付着しているが、多岐に渡る立体的形状があることから、一律な殺菌では均質に殺菌し難いという特徴がある。農産物の殺菌には、収穫後の農作物の腐敗を抑制する目的で従来から農薬等の薬剤が使用されているが、食用の用途のため、殺菌剤や防黴剤などの農薬を散布する行為(ポストハーベスト)や残留農薬濃度は、各国独自の法令により厳しく規制されていることもあり、現状では長距離輸送は技術的に難しいという状況となっている。そのため、殺菌が農産物に与えるダメージや悪影響を抑えて殺菌を行うことが要求されている。

このような農産物の殺菌にプラズマ殺菌装置を用いることによって、その高い殺菌能力により、特に人体に有害な薬剤や農薬を必要とすることなく、農産物に対して安全且つ十分な殺菌が行えるという優れた利点が期待されている。

このような従来のプラズマ殺菌装置としては、例えば、殺菌対象物に対して空気プラズマを照射するプラズマ照射工程を行って、当該殺菌対象物を殺菌するものがある(特許文献1参照)。また、例えば、搬送コンベアにより搬送される青果物の選果から箱詰めまでの工程間における搬送経路内に各青果物をプラズマ装置によりプラズマ生成したラジカルを照射するプラズマ滅菌装置を用いて、前記滅菌装置により前記搬送コンベアにより搬送される青果物の表皮に付着した微生物を殺菌するものもある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。

また、例えば、穀類や種子を殺菌するものとして、多数配設された針状電極からなる放電側電極と、この放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極と、前記放電側電極と接地側電極とを囲う誘電体で形成され、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌するものがある(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。この他にもプラズマジェットを照射することにより、農作物を殺菌するものもある(特許文献6参照)。

なお、従来のプラズマを生成する装置に使われる電極については、農作物を殺菌対象としたものではないが、工業用材料の表面加工等を目的として、様々な形状のものが提案されている。例えば、ロール型の回転電極を用いる電極構成によって、電極間に設置された基材の表面に製膜又は表面処理を行うもの(例えば、特許文献7参照)や、回転電極の回転を利用して被処理ガスと反応ガスに化学反応を起こさせるもの(例えば、特許文献8参照)や、回転電極間に発生したプラズマを、外部に吹き出して、外部に設置された被処理基材を処理するもの(例えば、特許文献9参照)などがある。

この他にも、従来のプラズマを生成する装置に使われる電極としては、上記と同様に、農作物を殺菌対象としたものではないが、ブラシ状電極を用いる構成(例えば、特許文献10及び特許文献11参照)も知られており、当該ブラシ状電極を上記回転電極に取り付ける構成(例えば、特許文献12~特許文献14参照)も知られている。

産業上の利用分野

本発明は、放電プラズマを利用して殺菌対象物を殺菌するプラズマ殺菌装置に関し、特に、種々の立体的形状を有する殺菌対象物の表面を均質に殺菌できるプラズマ殺菌装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性を有する殺菌対象物に対して電圧を印加する電圧印加手段と、
前記電圧印加手段から印加される電圧を前記殺菌対象物に対して誘電体を介して放電状態で印加する一対の電極と、
前記一対の電極と前記殺菌対象物との相対位置を変化させる位置変化手段とを備えることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ殺菌装置において、
前記一対の電極は、当該一対の電極の少なくとも一方が、誘電体で導体を被覆して柔軟に形成される接触片で形成されると共に、当該接触片の対を複数配設して形成されることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプラズマ殺菌装置において、
前記誘電体が、繊維形状又はメッシュ形状を有する繊維、合成樹脂又はシリコーン樹脂から形成されることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
前記位置変化手段が、前記殺菌対象物を、前記一対の電極に対して移動させることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項5】
請求項2~4のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
前記位置変化手段が、一対の電極を構成する各接触片を回転させて、少なくとも1つの前記接触片の少なくとも先端部分を前記殺菌対象物に接触させることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
前記殺菌対象物に関するインピーダンス値を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測されたインピーダンス値に基づいて、前記位置変化手段による前記相対位置の変化を制御する制御手段とを備えることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のプラズマ殺菌装置において、
前記電圧印加手段が、前記殺菌対象物の種類に応じて、印加する電圧値を変化させることを特徴とする
プラズマ殺菌装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017547843thum.jpg
出願権利状態 公開


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