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コンクリート構造物の耐震補強構造 新技術説明会

国内特許コード P10A015536
掲載日 2010年6月18日
出願番号 特願2009-009281
公開番号 特開2009-197576
登録番号 特許第5227815号
出願日 平成21年1月19日(2009.1.19)
公開日 平成21年9月3日(2009.9.3)
登録日 平成25年3月22日(2013.3.22)
優先権データ
  • 特願2008-012004 (2008.1.22) JP
発明者
  • 山川 哲雄
出願人
  • 国立大学法人 琉球大学
発明の名称 コンクリート構造物の耐震補強構造 新技術説明会
発明の概要 【課題】施工作業の煩雑さを軽減でき、枠付き鉄骨ブレースの補強効果を損なわずに、優れた補強効果を得ることができるコンクリート構造物の耐震補強構造を提供する。
【解決手段】柱部分3に沿って断面コ字状の補強プレートチャンネル7を配置して、枠付き鉄骨ブレース11の枠鉄骨12aと柱部分3とを、柱部分3のせい方向に突出して対置した補強プレートで挟んで充填した固化材により固定し、上側の枠鉄骨12bと梁部分2とを、対置した補強プレート8で挟んで充填した固化材により固定し、対置した補強プレートおよび枠鉄骨12aに貫通するPC鋼棒9、同様に、対置した補強プレート8および上側の枠鉄骨12bに貫通するPC鋼棒9を締め上げて柱部分3、梁部分2を圧縮してプレストレスを付与した状態にし、下側の枠鉄骨12cはアンカー部材14を介して床部分4に固定する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


コンクリート構造物を耐震補強するに際し、柱部分と梁部分とで囲まれる領域に、枠付き鉄骨ブレースを設置する方法が知られている。一般に、枠付き鉄骨ブレースを設置するには、柱部分や梁部分にアンカー部材を埋設して枠付き鉄骨ブレースを配置し、その外周縁に沿って型枠を設置した後にモルタル等の固化材を打設する。そして、打設したモルタルを養生した後に型枠を取外す。これにより、枠付き鉄骨ブレースの外周縁の枠鉄骨と、柱部分や梁部分とは、アンカー部材を埋設したモルタル等により固定される。このような型枠を用いてモルタル等の固化材を打設する方法は、型枠の着脱やモルタルの養生等に多大な時間を要し、施工作業が煩雑になるという問題があった。



この問題を解決するために、枠付き鉄骨ブレースを所定位置に配置した後に、その外周縁に沿って配置したチューブにモルタルを充填することにより枠付き鉄骨ブレースを固定する方法(特許文献1参照)、枠付き鉄骨ブレースの外周縁の枠鉄骨と、柱部分や梁部分とを、接着剤により固定する方法(特許文献2参照)などが提案されている。



しかしながら、上記の従来技術は、枠付き鉄骨ブレースをコンクリート構造物にどのように固定するかに注力したものであり、枠付き鉄骨ブレースを固定するコンクリート構造物側に対する補強の検討が不十分であった。そのため、枠付き鉄骨ブレースが強固であっても、枠付き鉄骨ブレースを固定しているコンクリート構造物側が地震の際に損傷し難い構造にはなっていないので、枠付き鉄骨ブレースによる補強効果を十分に得ることができないという問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、コンクリート構造物の耐震補強構造に関し、さらに詳しくは、枠付き鉄骨ブレースを設置して耐震補強するに際し、施工作業の煩雑さを軽減できるとともに、枠付き鉄骨ブレースの補強効果を損なうことなく、優れた補強効果を得ることができるコンクリート構造物の耐震補強構造に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
コンクリート構造物の柱部分、梁部分および床部分に囲まれた開口領域に、枠付き鉄骨ブレースを設置したコンクリート構造物の耐震補強構造において、枠付き鉄骨ブレースを構成する両側のそれぞれの枠鉄骨と前記開口領域の両側のそれぞれの柱部分とを、柱部分の3方面に巻き立てられるとともに、柱部分のせい方向に突出して、柱部分の厚さと略同じ間隔で対置した補強プレートで挟み、この対置した補強プレートの間に充填した固化材により固定するとともに、この固化材、対置した補強プレートおよび両側のそれぞれの枠鉄骨を貫通する緊結部材を締め上げて、この対置した補強プレートにより柱部分および固化材の厚さ方向両面を圧縮してプレストレスを付与している状態にしたコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項2】
コンクリート構造物の柱部分、梁部分および床部分に囲まれた開口領域に、枠付き鉄骨ブレースを設置したコンクリート構造物の耐震補強構造において、枠付き鉄骨ブレースを構成する両側のそれぞれの枠鉄骨と前記開口領域の両側のそれぞれの柱部分とを、柱部分のせい方向両側に突出して、柱部分の厚さと略同じ間隔で対置した補強プレートで挟み、この対置した補強プレートの間に充填した固化材により固定するとともに、それぞれの柱部分のせい方向一方側では、この固化材、対置した補強プレートおよび枠鉄骨を貫通する緊結部材を締め上げ、それぞれの柱部分のせい方向他方側では、この固化材および対置した補強プレートを貫通する緊結部材を締め上げて、対置した補強プレートにより柱部分および固化材の厚さ方向両面を圧縮してプレストレスを付与している状態にしたコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項3】
隣り合う複数の前記開口領域のそれぞれに前記枠付き鉄骨ブレースを設置して連続補強する際に、開口領域と開口領域との間に位置する柱部材については、この柱部分と、この柱部分の両側の枠鉄骨とを、この柱部分のせい方向両側に突出して、柱部分の厚さと略同じ間隔で対置した補強プレートで挟み、この対置した補強プレートの間に充填した固化材により固定するとともに、この柱部分のせい方向両側で、この固化材、対置した補強プレートおよび枠鉄骨を貫通する緊結部材を締め上げて、対置した補強プレートによりこの柱部分および固化材の厚さ方向両面を圧縮してプレストレスを付与している状態にした請求項2に記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項4】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する両側の枠鉄骨がH形鋼材であり、このH形鋼材のウェブが、両側の枠鉄骨を挟むそれぞれの補強プレートと平行になるように配置されて、前記緊結部材がこのウェブを貫通する請求項1~3のいずれかに記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項5】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する上側の枠鉄骨と前記梁部分とを、対置した補強プレートで挟み、この対置した補強プレートの間に充填した固化材により固定するとともに、この固化材、対置した補強プレートおよび上側の枠鉄骨を貫通する緊結部材と、この固化材、対置した補強プレートおよび梁部分を貫通する緊結部材とを締め上げて、この対置した補強プレートにより梁部分および固化材の厚さ方向両面を圧縮してプレストレスを付与している状態にした請求項1~4のいずれかに記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項6】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する上側の枠鉄骨がH形鋼材であり、このH形鋼材のウェブが、上側の枠鉄骨を挟むそれぞれの補強プレートと平行になるように配置されて、前記緊結部材がこのウェブを貫通する請求項5に記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項7】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する下側の枠鉄骨と前記床部分とをアンカー部材により固定した請求項1~6のいずれかに記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項8】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する鉄骨ブレースが、上側の枠鉄骨の長手方向中央部から、両側の枠鉄骨と下側の枠鉄骨とが交差するそれぞれのコーナー部に向かって延設されている請求項1~7のいずれかに記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。

【請求項9】
前記枠付き鉄骨ブレースを構成する鉄骨ブレースが、コンクリートを内部に充填した鋼管であり、上側の枠鉄骨と両側の枠鉄骨の一方側の枠鉄骨とが交差するコーナー部と、下側の枠鉄骨と両側の枠鉄骨の他方側の枠鉄骨とが交差するコーナー部とを連結するように延設されている請求項1~7のいずれかに記載のコンクリート構造物の耐震補強構造。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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