抗ウィルス薬
国内特許コード | P200017292 |
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整理番号 | (S2019-0301-N0) |
掲載日 | 2020年11月5日 |
出願番号 | 特願2020-056916 |
公開番号 | 特開2020-164521 |
出願日 | 令和2年3月26日(2020.3.26) |
公開日 | 令和2年10月8日(2020.10.8) |
優先権データ |
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発明者 |
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出願人 |
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発明の名称 |
抗ウィルス薬
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発明の概要 |
【課題】本発明は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有する核酸アナログを提供する。 【解決手段】下記の式(I): (式省略) (式中、各記号は本明細書中で定義した通りである)で表される化合物またはその塩。 【選択図】なし |
従来技術、競合技術の概要 |
B型肝炎ウィルス(HBV)による慢性肝炎は肝硬変や肝臓癌の主要な原因の1つである。現在、全世界にはキャリアとして20億人、持続感染が4億人、日本でも100万人を超えるキャリアがいると言われている。90%以上のキャリアは自然治癒に至るが、5%以上の者が劇症化し、慢性肝炎、肝臓癌に移行し、死に至る。 このような中核酸アナログの研究が進められているが、例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2は、2’位にフッ素原子、6’位にメチレン基を有する核酸アナログを開示している。特許文献2および特許文献3は、2’位にフッ素原子を有する核酸アナログを開示するが、本願発明の核酸アナログは具体的には開示していない。 また、特許文献4および特許文献5は、2’位にフッ素原子を有する核酸アナログを開示するが、当該核酸アナログが抗B型肝炎ウィルス活性を有することについては開示しておらず、さらに後述される本願発明の化合物におけるR4が式(II)で表される基である化合物を具体的には開示していない。 他方、特許文献6は、クロファラビン(Clofarabine)が抗B型肝炎ウィルス活性を有することについて開示するが、後述される本願発明の化合物におけるR4が式(II)で表される基である化合物を具体的には開示していない。 |
産業上の利用分野 |
本発明は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有する核酸アナログに関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 下記の式(I): 【化1】 (省略) [式中、R1は、置換されていてもよいプリン塩基を表し; R2は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し; R3は、水素、置換されていてもよい(C1-C6)アルキル基、置換されていてもよい(C2-C6)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および R4は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPO3H)、または式(II): 【化2】 (省略) (式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C1-C6)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C6-C14)アリール基を表す) で表される基を表す; 但し、R2が、ヒドロキシ基であり、R3が、水素である場合は、R1は、下記の式(IIIa)または(IIIb): 【化3】 (省略) (式中、R5は、水素またはハロゲンを表す) で表される基を表し;およびR4は、上記の式(II)で表される基を表す。] で表される化合物またはその塩。 【請求項2】 下記の式(I): 【化4】 (省略) [式中、R1は、置換されていてもよいプリン塩基を表し; R2は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し; R3は、水素、置換されていてもよい(C1-C6)アルキル基、置換されていてもよい(C2-C6)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および R4は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPO3H)、または式(II): 【化5】 (省略) (式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C1-C6)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C6-C14)アリール基を表す) で表される基を表す; 但し、R2が、ヒドロキシ基の場合は、R1は、下記の式(IIIa)または(IIIb): 【化6】 (省略) (式中、R5は、水素またはハロゲンを表す) で表される基を表し;およびR4は、上記の式(II)で表される基を表す。] で表される化合物またはその塩。 【請求項3】 R1が、下記の式(IIIa)または(IIIb): 【化7】 (省略) (式中、R5は、前記と同義である) で表される基であり; R3が、水素、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C2-C6)アルキニル基、またはシアノ基であり; Rが、(C1-C6)アルコキシカルボニル(C1-C6)アルキル基であり;および Arが、フェニル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。 【請求項4】 R1が、下記の式(IIIa): 【化8】 (省略) で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。 【請求項5】 R1が、下記の式(IIIb): 【化9】 (省略) (式中、R5は、水素を表す) で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。 【請求項6】 R1が、下記の式(IIIb): 【化10】 (省略) (式中、R5は、ハロゲンを表す) で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。 【請求項7】 請求項1または2に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬。 【請求項8】 ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための、請求項7に記載の医薬。 【請求項9】 ウィルス感染が、B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウィルス(HCV)、ヘルペスウィルス(HSB-1またはHSB-2)、サイトメガロウィルス(CMV)、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)および/またはエプスタイン・バール・ウィルス(EBV)によるものである、請求項8に記載の医薬。 【請求項10】 下記の式(Ia): 【化11】 (省略) [式中、R1は、置換されていてもよいプリン塩基を表し; R2は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し; R3は、水素、置換されていてもよい(C1-C6)アルキル基、置換されていてもよい(C2-C6)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および R4は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基、または式(II): 【化12】 (省略) (式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C1-C6)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよいアリール基を表す) で表される基を表す; 但し、R2が、ヒドロキシ基であり、R3が、水素である場合は、 1)R1が、下記の式(IIIa)または(IIIb): 【化13】 (省略) (式中、R5は、水素を表す)で表される基を表すか、または 2)R1が、下記の式(IIIb): 【化14】 (省略) (式中、R5は、ハロゲンを表す)で表される基であり、かつ R4が、式(II): 【化15】 (省略) (式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C1-C6)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C6-C14)アリール基を表す) で表される基を表す] で表される化合物またはその塩を、有効成分として含有するB型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための医薬。 【請求項11】 B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患が、肝炎、肝不全、肝硬変または肝臓癌である、請求項10に記載の医薬。 |
国際特許分類(IPC) |
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Fターム |
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出願権利状態 | 公開 |
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