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監視システム、監視方法及びプログラム UPDATE

国内特許コード P210017424
整理番号 2008-19P032
掲載日 2021年2月3日
出願番号 特願2020-056803
公開番号 特開2021-157474
出願日 令和2年3月26日(2020.3.26)
公開日 令和3年10月7日(2021.10.7)
発明者
  • 中谷 剛
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 監視システム、監視方法及びプログラム UPDATE
発明の概要 【課題】厳しい環境条件下であっても現象の発生を正確に検出する。
【解決手段】動体画素検出部20は、火山Vの最新の画像データIが得られる度に、最新の画像データIと過去の画像データIt1~It2との比較により、最新の画像データIを構成する画素のうち、動体画素数Px(n)を検出する。基準値算出部21は、動体画素数Px(n)が得られる度に、過去の期間T1を1サンプリング周期Sだけ後にずらしつつ、期間T1に撮像された複数枚の画像データIt1~It2における動体画素数Px(t1)~Px(t2)の平均値avePx(n-1)、標準偏差σ(n-1)及びノイズ成分Nに基づく基準値Pmax(n-1)を算出する。現象検出部22は、基準値算出部21で算出された基準値Pmax(n-1)に対する動体画素検出部20で検出された動体画素数Px(n)の比率が閾値αを超えた場合に、火山Vの噴火の発生を検出する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

日本で最も活発な活動をしている火山の一つである桜島は、10km西に鹿児島市の中心部が位置する、都市圏に近い火山として知られている。このため、桜島の噴火は、中規模なものであっても観光、農業、漁業等の産業に経済的損失を与えて地域の発展を妨げたり、県民の生活・健康に影響を与えたりするおそれがある。そこで、噴火があったことをいち早く知るために、桜島は24時間監視対象となっている。

現状では、桜島のような火山の噴火の判断は、目視に頼らざるを得ないのが実情であり、監視には大変な労力が必要となる。このため、監視画像を利用して噴火を自動的に検出する方法の開発が望まれている。

監視対象における現象の発生を自動的に検出する一般的な方法に、「差分画像」を利用する方法がある。この方法では、現象が発生する前の背景画像を予め準備しておき、その現象が発生した後の画像と背景画像との差分、すなわち相違点を求めることで、現象が発生したことを検出する。

屋内などの環境変化が小さい空間又は環境を制御可能な空間であれば、「差分画像」を利用する方法は有効である。一方、環境変化が大きい屋外では、検出対象である現象の発生とは無関係な環境変化により背景画像が変化するので、「差分画像」を利用する方法で現象の発生を検出することが難しくなっている。

このような点を改善するため、直前の画像を背景画像として更新していく方法や、差分後の画像から現象の発生に関連する動体の速度ベクトルを求めることで、背景と動体とを分離する方法等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

産業上の利用分野

本発明は、監視システム、監視方法及びプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一定のサンプリング周期で撮像される監視対象の最新の画像が得られる度に、前記最新の画像と過去の画像との比較により、前記最新の画像を構成する画素のうち、被写体の動きを示す動体画素の数である動体画素数を検出する動体画素検出部と、
前記動体画素検出部で前記動体画素数が検出される度に、算出対象となる過去の期間を1サンプリング周期後にずらしつつ、前記期間に撮像された複数枚の画像における前記動体画素数の平均値、標準偏差及び画像に含まれるノイズ成分に基づく基準値を算出する基準値算出部と、
前記基準値算出部で前記基準値が算出される度に、前記基準値算出部で算出された前記基準値に対する前記動体画素検出部で検出された前記最新の画像における前記動体画素数の比率が閾値を超えた場合に、前記監視対象における現象の発生を検出する現象検出部と、
を備える監視システム。

【請求項2】
前記基準値算出部は、
前記動体画素数の平均値と、標準偏差の3倍と、前記ノイズ成分を加算した値を、前記基準値として算出する、
請求項1に記載の監視システム。

【請求項3】
前記期間の終期は、前記最新の画像が撮像された時点よりも少なくともM(Mは2以上の自然数)サンプリング前の時点となるように規定されている、
請求項1又は2に記載の監視システム。

【請求項4】
前記基準値算出部は、
前記監視対象における現象の発生が検出される前の前記動体画素数の最大値を、前記ノイズ成分として設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の監視システム。

【請求項5】
前記動体画素検出部は、
前記最新の画像における輝度値に対する画素数の分布を示す混合ガウス分布モデルを推定し、
前記過去の画像から推定されている混合ガウス分布モデルに含まれる正規分布に属しない画素を、前記動体画素として前記最新の画像から抽出する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の監視システム。

【請求項6】
前記動体画素検出部は、
前記最新の画像をグレースケール画像に変換し、
前記グレースケール画像に対して輝度値に対する画素数を示すヒストグラムを作成し、 前記ヒストグラムを正規化し、
前記正規化されたヒストグラムに基づいて、前記混合ガウス分布モデルを推定する、
請求項5に記載の監視システム。

【請求項7】
前記動体画素検出部は、
前記抽出された前記動体画素のうち、孤立する前記動体画素をノイズとして除去し、
前記抽出された前記動体画素のうち、除去されなかった前記動体画素の数を、前記動体画素数としてカウントする、
請求項5又は6に記載の監視システム。

【請求項8】
前記動体画素検出部は、
前記最新の画像における前記監視対象において現象が発生する領域の部分画像に対して処理を行って、前記動体画素数を算出する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の監視システム。

【請求項9】
コンピュータが、一定のサンプリング周期で撮像される監視対象の最新の画像が得られる度に、前記最新の画像と過去の画像との比較により、前記最新の画像を構成する画素のうち、被写体の動きを示す動体画素の数である動体画素数を検出する動体画素検出ステップと、
コンピュータが、前記動体画素検出ステップで前記動体画素数が検出される度に、対象となる過去の期間を1サンプリング周期後にずらしつつ、前記期間に撮像された複数枚の画像における前記動体画素数の平均値、標準偏差及び画像に含まれるノイズ成分に基づく基準値を算出する基準値算出ステップと、
コンピュータが、前記基準値算出ステップで前記基準値が算出される度に、前記基準値算出ステップで算出された前記基準値に対する前記動体画素検出ステップで検出された前記最新の画像における前記動体画素数の比率が閾値を超えた場合に、前記監視対象における現象の発生を検出する現象検出ステップと、
を含む監視方法。

【請求項10】
コンピュータを、
一定のサンプリング周期で撮像される監視対象の最新の画像が得られる度に、前記最新の画像と過去の画像との比較により、前記最新の画像を構成する画素のうち、被写体の動きを示す動体画素の数である動体画素数を検出する動体画素検出部、
前記動体画素検出部で前記動体画素数が検出される度に、算出対象となる過去の期間を1サンプリング周期後にずらしつつ、前記期間に撮像された複数枚の画像における前記動体画素数の平均値、標準偏差及び画像に含まれるノイズ成分に基づく基準値を算出する基準値算出部、
前記基準値算出部で前記基準値が算出される度に、前記基準値算出部で算出された前記基準値に対する前記動体画素検出部で検出された前記最新の画像における前記動体画素数の比率が閾値を超えた場合に、前記監視対象における現象の発生を検出する現象検出部、
として機能させるプログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2020056803thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 公開特許は弊社ホームページ内で開示資料とともに、特許公報も掲載しております。
アドレスは http://www.ktlo.co.jp/002_seeds_.html


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