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酵母と断片化cDNAライブラリーを用いたタンパク質の新しい同定法

国内特許コード P190016027
整理番号 (S2016-0677-N0)
掲載日 2019年5月9日
出願番号 特願2018-521014
出願日 平成29年6月2日(2017.6.2)
国際出願番号 JP2017020614
国際公開番号 WO2017209280
国際出願日 平成29年6月2日(2017.6.2)
国際公開日 平成29年12月7日(2017.12.7)
優先権データ
  • 特願2016-112107 (2016.6.3) JP
発明者
  • 岸田 昭世
  • 小山 浩史
  • 岸田 想子
  • 飯島 幹雄
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 酵母と断片化cDNAライブラリーを用いたタンパク質の新しい同定法
発明の概要 本発明は、酵母の核内でのタンパク質の新しい同定方法を提供することを目的とし、具体的には、酵母の核内において、核内移行シグナルとDNA結合タンパク質とおとりタンパク質とを含む融合タンパク質、及び核内移行シグナルと転写活性化タンパク質と断片化した部分cDNAによりコードされるシグナルペプチド、細胞膜若しくは細胞内小器官局在化配列又は細胞膜貫通領域が欠損した獲物タンパク質とを含む融合タンパク質を発現させ、該おとりタンパク質と該獲物タンパク質との結合を、レポーター遺伝子の活性や発光などを指標に検出する、タンパク質の同定方法に関する。
従来技術、競合技術の概要

細胞内外での複数の分子の会合又は結合が、細胞の増殖や分化、接着等を制御する生体シグナルとして働くことが知られている。特に、ホルモン等各種のリガンド分子の生理作用を解明するためには、細胞膜上のレセプター分子の同定が有用である。これらの目的には、免疫沈降等でレセプター分子を含むタンパク質複合体を濃縮し、質量分析を行う方法や培養細胞を用いたパンニング法等が一般化しつつある。しかしながら、未だに受容体の不明な「オーファンリガンド」が多数知られている。その受容体同定は、各種疾患病態と関連する可能性が高く注目されているが、スクリーニング方法の煩雑さ、検出感度の不足等から進んでいない。

一方、細胞内(細胞質)の分子の結合同定法として、酵母two-hybrid法が知られている(非特許文献1~3)。酵母two-hybrid法では、遺伝子ベクターを用いて核内移行シグナルを付加した既知遺伝子と核内移行シグナルを付加した全長cDNAキメラ遺伝子(市販品では通常はオリゴdTプライマーで逆転写したもの)を2種類発現させ、分子同士の結合が核内で形成された場合、発現誘導されるレポーター遺伝子の活性や発光等で分子間の結合を検出する。

酵母two-hybrid法において、リガンド分子や受容体等の膜タンパク質をコードする遺伝子をベクターに挿入した場合、5'末端のシグナルペプチドや3'末端付近の細胞膜貫通領域の発現により、キメラ遺伝子を核内で発現させることが困難であり、従来の酵母two-hybrid法はリガンド-受容体の結合の解析には適していない。

また、酵母two-hybrid法の改変が多数報告されている。例えば、使用する細胞を酵母以外の生物に変えたり、レポータージーン部分の開発による改良を目指したものが挙げられる。しかしながら、従来において、(膜)タンパク質の部分領域ライブラリーとして核内で発現させて、本来細胞外で起こる相互作用を核内で検出しようとする意図の酵母two-hybrid法の改変は知られていなかった。

産業上の利用分野

本発明は、例えば酵母と断片化cDNAライブラリーを用いたタンパク質の同定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1及び第2のベクターを導入した酵母形質転換体を培養する工程を含む、タンパク質の同定方法であって、
第1のベクターは、核内移行シグナルをコードする遺伝子とDNA結合タンパク質をコードする遺伝子とおとりタンパク質をコードする遺伝子とを含み、
第2のベクターは、核内移行シグナルをコードする遺伝子と転写活性化タンパク質をコードする遺伝子と断片化した部分cDNAとを含み、該断片化した部分cDNAは、シグナルペプチド、細胞膜若しくは細胞内小器官局在化配列又は細胞膜貫通領域が欠損した獲物タンパク質をコードするものであり、且つ、
前記酵母形質転換体の核内において、前記核内移行シグナルとDNA結合タンパク質とおとりタンパク質とを含む融合タンパク質、及び前記核内移行シグナルと転写活性化タンパク質と断片化した部分cDNAによりコードされる獲物タンパク質とを含む融合タンパク質が発現し、該おとりタンパク質と該獲物タンパク質との結合を、レポーター遺伝子の活性を指標に検出する、
前記方法。

【請求項2】
おとりタンパク質がリガンドであり、且つ獲物タンパク質が受容体タンパク質である、請求項1記載の方法。

【請求項3】
おとりタンパク質が各種局在シグナル配列を除いた部分cDNAによりコードされるタンパク質である、請求項1記載の方法。

【請求項4】
ランダムプライム逆転写によって得られた、長さ100~1800bpを有するcDNA。

【請求項5】
長さが100~1000bpである、請求項4記載のcDNA。

【請求項6】
核内移行シグナルをコードする遺伝子と転写活性化タンパク質をコードする遺伝子と断片化した部分cDNAとを含むベクターであって、該断片化した部分cDNAが請求項4又は5記載のcDNAである、前記ベクター。

【請求項7】
請求項4若しくは5記載のcDNA又は請求項6記載のベクターを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のタンパク質の同定方法用試薬キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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