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分泌促進装置

国内特許コード P180015219
整理番号 1724-16P025
掲載日 2018年8月2日
出願番号 特願2017-075111
公開番号 特開2018-175044
出願日 平成29年4月5日(2017.4.5)
公開日 平成30年11月15日(2018.11.15)
発明者
  • 宮脇 正一
  • 植田 紘貴
  • 菅 真有
  • 永山 邦宏
  • 八木 孝和
  • 大石 章仁
  • 桑木 共之
  • 池田 正徳
  • 坂本 泰二
  • 田松 裕一
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 分泌促進装置
発明の概要 【課題】より多様な方法で唾液又は涙液の分泌を促進することができる分泌促進装置を提供する。
【解決手段】分泌促進装置1Aは、唾液又は涙液の分泌を促進する。一対の電極2A,2Bは、唾液又は涙液の分泌に関する支配神経である迷走神経N1に電気刺激を与えるために頸部H1の迷走神経N1に巻き付けられる。パルスジェネレータ3は、リード線4を介して一対の電極2A,2Bに接続されて被検体Pの胸部H2に埋め込まれる。パルスジェネレータ3は、リード線4を介して一対の電極2A,2Bに電気刺激を印加する。これにより、迷走神経N1に電気刺激が付与され、唾液の分泌が促進される。このように、本発明は、刺激部位を支配する神経に作用して、副交感性の反射弓を介して唾液分泌や涙液分泌を促したり、唾液・涙腺に投射する神経を直接刺激したりすることにより、唾液・涙液を促進することを可能とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

口腔に関する病気の1つにドライマウス(口腔乾燥症)がある。ドライマウスに対しては、口腔の乾燥感や粘膜痛などに対処するために、人工唾液や保湿剤を用いるなどの対症療法がとられることが多い。また、唾液腺を含む外分泌腺の萎縮を生じる自己免疫疾患であるシェーグレン症候群(Sjogren's syndrome)に起因する口腔乾燥には、唾液分泌促進剤が用いられているが、その効果は限定的であり、吐き気や悪心などの副作用も懸念される。そこで、ドライマウスについて、安全な根本療法の実現が求められている。このような背景から、例えば、薬物を用いることなく、周波数が異なる電気信号の干渉波による電気刺激を唾液腺に対して直接的に付与して唾液の分泌を促進する分泌促進装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

一方、眼に関する病気の1つにドライアイ(角膜乾燥症)がある。ドライアイの患者は、本邦に800万人以上存在すると言われており、高齢者に好発することから、高齢化率が進みつつある本邦又は高齢化率の高い米国などの先進国において増加傾向にある。また、パソコンやスマートフォンの使用とも関連があり、今後も患者数は爆発的に増加することが危惧されている。ドライアイに対しては、現在は、眼の乾燥感や疲れやすさなどに対処するため点眼治療を行う対症療法が主に用いられているが、薬物の使用は副作用に対する懸念がある。その他、涙液を排出する涙点をプラグで塞いだり、外科的に閉鎖したりする手術療法も存在するが、この方法は、効果が永続的でなく、外科的侵襲を伴うという欠点もある。

さらに、近年では、ブラキシズムが問題となっている。ブラキシズムは、歯の咬耗、楔状欠損、補綴装置の破損、歯ぎしり音、咀嚼筋痛などの諸症状を引き起こす。ブラキシズムに対しては、スプリントという装置を口腔内に装着して歯を保護する対症療法であるスプリント療法が主に用いられてきた。スプリント療法以外には薬物療法やバイオフィードバック療法などもあるが、あまり実用的ではない。

産業上の利用分野

本発明は、分泌促進装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検体の唾液又は涙液の分泌を促進する分泌促進装置であって、
唾液又は涙液の分泌に関する支配神経又はその近傍の部位に取り付けられる一対の電極と、
前記一対の電極を介して唾液又は涙液の分泌に関する支配神経に電気刺激を付与して、唾液又は涙液の分泌を促進する電気刺激付与部と、
を備える分泌促進装置。

【請求項2】
体内に埋め込まれ、
前記一対の電極は、頸部を通る迷走神経に巻き付けられており、
前記電気刺激付与部は、前記一対の電極を介して、前記迷走神経に直接的に電気刺激を付与する、
請求項1に記載の分泌促進装置。

【請求項3】
前記一対の電極は、前記被検体の耳部に取り付けられ、
前記電気刺激付与部は、前記一対の電極を介して、唾液又は涙液の分泌に関する支配神経のうち、耳部付近を通る神経に電気刺激を経皮的に付与する、
請求項1に記載の分泌促進装置。

【請求項4】
前記一対の電極は、前記被検体の顔面・頸部に取り付けられ、
前記電気刺激付与部は、前記一対の電極を介して、唾液又は涙液の分泌に関する支配神経のうち、顔面・頸部付近を通る神経に電気刺激を経皮的に付与する、
請求項1に記載の分泌促進装置。

【請求項5】
唾液又は涙液の分泌量を計測する計測部を備え、
前記電気刺激付与部は、
前記計測部で計測された唾液又は涙液の分泌量が低下した場合に、前記一対の電極を介して、唾液又は涙液の分泌に関する支配神経に電気刺激を付与する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分泌促進装置。

【請求項6】
側頭筋活動に関する筋肉の筋電位を計測する筋電位計を備え、
前記電気刺激付与部は、
前記筋電位計で計測された側頭筋活動に関する筋肉の筋電位が閾値を超えた場合に、前記一対の電極を介して、唾液又は涙液の分泌に関する支配神経に電気刺激を付与する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分泌促進装置。

【請求項7】
前記一対の電極として、
唾液又は涙液の分泌に関する支配神経のうち、前記被検体の複数の異なる部位を通る神経に対してそれぞれ同時に電気刺激を付与する電極を複数組備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の分泌促進装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017075111thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 公開特許は弊社ホームページ内で開示資料とともに、特許公報も掲載しております。
アドレスは http://www.ktlo.co.jp/002_seeds_.html


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