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抗癌剤の感受性及び癌の予後に対する診断マーカー

国内特許コード P180014849
整理番号 S2016-1110-N0
掲載日 2018年4月18日
出願番号 特願2016-172195
公開番号 特開2018-036233
出願日 平成28年9月2日(2016.9.2)
公開日 平成30年3月8日(2018.3.8)
発明者
  • 河原 康一
  • 古川 龍彦
  • 下川 倫子
  • 川畑 拓斗
  • 白石 岳大
  • 濱崎 健吾
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 抗癌剤の感受性及び癌の予後に対する診断マーカー
発明の概要 【課題】本発明は、多種の癌に適応可能なマーカー、又は癌の予後及び/又は治療感受性を評価可能なマーカーを提供すること等を課題とする。また、本発明は、かかるマーカーを用いて癌の予後及び/又は治療感受性を判定するための方法を提供すること等を課題とする。
【解決手段】被験体由来のサンプルにおいて、核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の発現量を測定する工程、前記タンパク質又は遺伝子の発現量が、参照値と比べて高い場合、癌に対する抗癌剤の有効性が高いと決定する工程を含む、被験体における癌に対する抗癌剤の有効性を判定するための方法、又は被験体における化学療法後の癌の予後を判定するための方法。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要

癌は全世界において主要な死因の一つであり、その有効な治療法が求められている。近年、核小体ストレス応答が腫瘍化進展を制御する極めて重要な生体の癌防御機構であることが分かってきたことから(非特許文献1)、これまでに本発明者は、核小体ストレス応答を利用して抗癌剤を探索可能なスクリーニング方法を見出した(特許文献1)。

癌を効果的に治療するためには、新規な抗癌剤を開発することに加えて、適切な治療法を選択することが重要であり、そのためには治療感受性や癌の予後を判断可能な診断方法を開発することが不可欠である。近年、癌に対する様々なマーカー因子が同定され、癌の診断方法は飛躍的に向上している。しかしながら、多種の癌に適応可能なマーカー、及び治療感受性及び/又は癌の予後を評価できるマーカーは乏しいのが現状であった。

産業上の利用分野

本発明は、癌に対する抗癌剤の有効性を判定するための方法、化学療法後の癌の予後を判定するための方法、及びこれらの方法に使用し得るマーカー、キット、及びデバイス等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験体由来のサンプルにおいて、核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の発現量を測定する工程、及び
前記タンパク質又は遺伝子の発現量が、参照値と比べて高い場合、癌に対する抗癌剤の有効性が高いと決定する工程
を含む、被験体における癌に対する抗癌剤の有効性を判定するための方法。

【請求項2】
被験体由来のサンプルにおいて、核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の発現量を測定する工程、及び
前記タンパク質又は遺伝子の発現量が、参照値と比べて高い場合、予後が良好であると決定する工程
を含む、被験体における化学療法後の癌の予後を判定するための方法。

【請求項3】
被験体由来のサンプルにおいて、核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の発現量を測定する工程、及び
前記タンパク質又は遺伝子の発現量が、参照値と比べて高い場合、癌の再発のリスクが低いと決定する工程
を含む、被験体における化学療法後の癌の再発のリスクを判定するための方法。

【請求項4】
核小体ストレス応答制御タンパク質が、RPS6、RPS19、RPL29、RPL30、RPS3、RPS7、RPS14、RPS15、RPS20、RPS25、RPS26、RPS27、RPS27A、RPS27L、RPL3、RPL4、RPL5、RPL6、RPL11、RPL23、RPL26、RPL37、PICT1、IPO7、XPO1、UBTF1、TTF-1、ARF、Nucleostemin(NS)、PAK1IP1、UTP18、及びNucleophosmin(NPM)からなる群から選択されるタンパク質である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
核小体ストレス応答制御タンパク質が、RPL11及び/又はRPL5である、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
癌が、乳癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、脳腫瘍、骨髄腫、骨肉腫、肺癌、白血病及び悪性リンパ腫からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
癌が、乳癌、胃癌、及び悪性リンパ腫からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
抗癌剤が、アクチノマイシンD、パクリタキセル、ビンブラスチン、アクラルビシン、ダウノルビシン、5-FU、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】
核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の、癌に対する抗癌剤の有効性を判定するためのマーカーとしての使用。

【請求項10】
核小体ストレス応答制御タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子の、被験体における化学療法後の癌の予後を判定するためのマーカーとしての使用。

【請求項11】
核小体ストレス応答制御タンパク質に特異的に結合する抗体、又は該タンパク質をコードする遺伝子に対するプローブ若しくはプライマーの少なくとも一以上を含む、被験体における癌に対する抗癌剤の有効性を判定するためのキット。

【請求項12】
核小体ストレス応答制御タンパク質に特異的に結合する抗体、又は該タンパク質をコードする遺伝子に対するプローブ若しくはプライマーの少なくとも一以上を含む、被験体における化学療法後の癌の予後を判定するためのキット。

【請求項13】
核小体ストレス応答制御タンパク質をコードする遺伝子に対するプローブ若しくはプライマーの少なくとも一以上を含む、被験体における癌に対する抗癌剤の有効性を判定するためのデバイス。

【請求項14】
核小体ストレス応答制御タンパク質をコードする遺伝子に対するプローブ若しくはプライマーの少なくとも一以上を含む、被験体における化学療法後の癌の予後を判定するためのデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016172195thum.jpg
出願権利状態 公開
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