自己修復性材料と修復剤内包マイクロカプセルの製造方法
国内特許コード | P180015217 |
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整理番号 | 1717-16P001 |
掲載日 | 2018年8月2日 |
出願番号 | 特願2016-114686 |
公開番号 | 特開2017-218519 |
出願日 | 平成28年6月8日(2016.6.8) |
公開日 | 平成29年12月14日(2017.12.14) |
発明者 |
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出願人 |
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発明の名称 | 自己修復性材料と修復剤内包マイクロカプセルの製造方法 |
発明の概要 |
【課題】高分子材料の必要特性を阻害せず、長期間にわたって安定的に高い自己修復率が得られる自己修復性材料を提供する。 【解決手段】ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン-ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、臭化コバルト及び臭化銅の一方又は両方からなる触媒成分とが分散含有され、該マイクロカプセルの応力による破裂で流出するトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが前記触媒成分を介して重合硬化して修復機能を発揮するように構成されてなる。 【選択図】なし |
従来技術、競合技術の概要 |
高分子材料は、加工性や成形性がよく、軽量で錆びず、また耐薬品性等の化学的特性に優れるという利点がある反面、継続的・熱的な負荷によって内部にマイクロクラックが生じ易く、その成長によって全体の破壊や被覆下地の腐食に繋がるという難点がある。特に、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂では、その傾向が顕著である。しかるに、マイクロクラックは構造の奥深くで発生するため、その発見及び修復を行うことは、技術的に難しい上に多大な時間及び費用を要するので現実的ではない。 そこで、近年において、マイクロカプセルを利用して高分子材料自体に修復機能を付与した自己修復性材料が種々検討されている。その自己修復機構は、一般的に、ポリマーマトリックス中に、修復剤として液状のモノマーやプレポリマーを内包するマイクロカプセルと、重合用触媒や重合開始剤の如き重合活性化剤の固形粒子を分散含有させておき、ポリマーマトリックスの内部にマイクロクラックが発生した際、亀裂面に臨むマイクロカプセルが破裂することで、流出した修復剤が重合活性化剤と接触して重合硬化し、その重合硬化物によってマイクロクラックを埋めて修復するものである。なお、これとは逆に、重合活性化剤の方をマイクロカプセルに内包させる考え方もある。 例えば、特許文献1では、エポキシマトリックス中に、グラブス(Grubbs)触媒の固形粒子と、液体ジシクロペンタジエンを内包するマイクロカプセルを含有する材料が提案されている。また、特許文献2では、ポリマーマトリックス、重合剤、重合活性化剤を内包するマイクロカプセルを含む複合材料が提案されている。更に、特許文献3では、ポリマーマトリックス、光導電性成分、修復剤内包のマイクロカプセル又はナノカプセル、触媒を含む自己修復性複合材料コーティングを有する光導電性部材が提案されている。一方、本出願人に係る既往技術を示す非特許文献1では、ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン-ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、重合開始剤である2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)とを分散含有させた自己修復性材料が提案されている。 |
産業上の利用分野 |
本発明は、塗膜や複合材料等を構成する高分子層の内部にマイクロクラックの如き損傷が発生した際に自己修復する機能を備えた自己修復性材料と、この自己修復性材料に配合する修復剤内包マイクロカプセルの製造方法に関する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン-ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、臭化コバルト及び臭化銅の一方又は両方からなる触媒成分とが分散含有され、該マイクロカプセルの応力による破裂で流出するトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが前記触媒成分を介して重合硬化して修復機能を発揮するように構成されてなる自己修復性材料。 【請求項2】 前記マイクロカプセルは平均粒子径が1~10μmの単核カプセルからなる請求項1に記載の自己修復性材料。 【請求項3】 前記マイクロカプセルにおけるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの含有量が50~80重量%である請求項1又は2に記載の自己修復性材料。 【請求項4】 前記マイクロカプセル中のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの総量に対し、前記触媒成分が0.5~5重量%の範囲にある請求項1~3のいずれかに記載の自己修復性材料。 【請求項5】 前記ポリマーマトリックスの樹脂成分に対し、修復剤内包マイクロカプセルが1~20重量%の割合で含有されてなる請求項1~4のいずれかに記載の自己修復性材料。 【請求項6】 前記ポリマーマトリックスがエポキシ系ポリマーからなる請求項1~5の何れかに記載の自己修復性材料。 【請求項7】 界面活性剤を含有する酸性水溶液からなる水相と、修復剤であるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの有機相とを撹拌混合することにより、水相中に有機相が分散したO/Wエマルションを調製し、このO/Wエマルションにメチロール化メラミンのアルカリ性水溶液を添加し、酸性域にpH調整して加温下で撹拌混合し、分散有機相の液滴界面でメチロール化メラミンの縮合反応を生じさせてカプセル壁を形成させることを特徴とする修復剤内包マイクロカプセルの製造方法。 【請求項8】 前記界面活性剤がポリエチレン無水マレイン酸の加水分解物である請求項7に記載の修復剤内包マイクロカプセルの製造方法。 |
国際特許分類(IPC) |
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Fターム |
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出願権利状態 | 公開 |
英語項目の表示
発明の名称 | SELF-RECOVERY MATERIAL AND METHOD FOR PRODUCING REPAIRING AGENT-CONTAINING MICROCAPSULE |
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発明の概要 |
PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a self-recovery material which can stably obtain a high self repair rate over a long period of time without hindering necessary characteristics of a polymer material. SOLUTION: A self-recovery material dispersedly contains microcapsule formed of a melamine-formaldehyde resin containing trimethacrylic acid trimethylol propane as a repairing agent, and a catalyst component formed of one or both of cobalt bromide and copper bromide, in a polymer matrix, and the trimethacrylic acid trimethylol propane flowing by bursting caused by the stress of the microcapsule is polymerized and cured through the catalyst component to exhibit a repair function. |
アドレスは http://www.ktlo.co.jp/002_seeds_.html
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