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金属ナノ粒子組成物の製造方法 UPDATE

国内特許コード P170013907
整理番号 (S2015-1816-N0)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-145952
公開番号 特開2017-025383
登録番号 特許第6562251号
出願日 平成27年7月23日(2015.7.23)
公開日 平成29年2月2日(2017.2.2)
登録日 令和元年8月2日(2019.8.2)
発明者
  • 鬼束 聡明
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 金属ナノ粒子組成物の製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】安定性が高く、高機能で、かつ良好な色を呈する金属ナノ粒子組成物を簡便に製造できる金属ナノ粒子組成物の製造方法を提供する。安定性が高く、高機能で、かつ良好な色を呈する金属ナノ粒子組成物、抗菌剤および染料を提供する。
【解決手段】金属ナノ粒子組成物の製造方法は、25℃より低温のアルコールを抽出溶媒として、植物から植物抽出物を抽出する抽出ステップと、前記植物抽出物と金属イオンとを含む混合溶液を調製する調製ステップと、を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

金属ナノ粒子は、ナノメートルオーダーの大きさの粒子である。金属ナノ粒子は、金属単体および金属原子および金属イオンとも異なる物性を示すため、第3の素材として注目を集めている。金属ナノ粒子は、ナノメートルオーダーの波長を持つ光、すなわち、可視領域の光と強く相互作用することで、特徴的な色を呈する。この発色は粒子の構造に由来するため非常に安定で、芸術などの分野において着色料として活用されてきた。また、金属ナノ粒子は特異な物性を有し、化学反応の触媒としても特徴的な反応性を示す。これに加え、銀および銅などの金属ナノ粒子には、強い抗菌性が見出されている。金属ナノ粒子のこのような機能性が産業利用の観点で注目されている。

近年、金属ナノ粒子の構造および物性が明らかになるにつれ、金属ナノ粒子の様々な合成法が開発されている。金属ナノ粒子は、保護されていない状態では不安定で、速やかに凝集して金属の単体を形成する。したがって、金属ナノ粒子を、金属イオンから合成する場合には、金属イオンを還元して金属原子とする還元剤と、金属ナノ粒子同士が凝集するのを防ぐ界面活性剤などの保護剤を組み合わせて用いる必要がある。

より安全な金属ナノ粒子を得るために、還元剤および保護剤として、植物抽出物が利用されている。植物抽出物に含まれるビタミンCなどの抗酸化作用を持つ化合物は、自らが酸化されるため、マイルドな還元剤として機能する。また、植物抽出物には、保護剤として作用するサポニンのような配糖体および多糖類が含まれている。

例えば、非特許文献1では、沸騰水で煮出した緑茶抽出物を還元剤および保護剤として使用することで、塩化金(III)酸(HAuCl)水溶液または硝酸銀(AgNO)水溶液から金ナノ粒子または銀ナノ粒子が合成されている。また、非特許文献2には、沸騰水で煮出した紅茶抽出物を還元剤および保護剤として用いて、硝酸銀水溶液から合成された銀ナノ粒子が開示されている。

産業上の利用分野

本発明は、金属ナノ粒子組成物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
0℃のメタノールを抽出溶媒として、植物から植物抽出物を抽出する抽出ステップと、
前記植物抽出物と金属イオンとを混合し、撹拌して混合溶液を調製する調製ステップと、
を含む、金属ナノ粒子組成物の製造方法。

【請求項2】
前記調製ステップでは、
前記混合溶液のpHを中性に近づけるpH調整剤を混合する、
請求項1に記載の金属ナノ粒子組成物の製造方法。

【請求項3】
前記pH調整剤は、
炭酸水素ナトリウム水溶液である、
請求項に記載の金属ナノ粒子組成物の製造方法。

【請求項4】
前記植物は、
茶葉であって、
前記植物抽出物は、
茶抽出物である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子組成物の製造方法
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015145952thum.jpg
出願権利状態 登録
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