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葉酸リセプターα及びβを認識する抗体

国内特許コード P170014289
整理番号 (S2013-0319-C0)
掲載日 2017年6月26日
出願番号 特願2014-554580
登録番号 特許第6233933号
出願日 平成25年12月19日(2013.12.19)
登録日 平成29年11月2日(2017.11.2)
国際出願番号 JP2013085026
国際公開番号 WO2014104270
国際出願日 平成25年12月19日(2013.12.19)
国際公開日 平成26年7月3日(2014.7.3)
優先権データ
  • 特願2012-281525 (2012.12.25) JP
発明者
  • 松山 隆美
  • 永井 拓
  • 蓮井 和久
  • 高尾 尊身
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 葉酸リセプターα及びβを認識する抗体
発明の概要 本発明は、葉酸リセプターα及び葉酸リセプターβに免疫学的に特異的に結合する抗体を提供することを目的とし、具体的には、重鎖可変領域(VH)のCDRH1、CDRH2及びCDRH3のアミノ酸配列がそれぞれ配列番号2、配列番号4及び配列番号6のアミノ酸配列であり、並びに軽鎖可変領域(VL)のCDRL1、CDRL2及びCDRL3のアミノ酸配列がそれぞれ配列番号10、配列番号12及び配列番号14のアミノ酸配列である抗体又はそのフラグメントに関する。
従来技術、競合技術の概要

葉酸リセプター(FR)は酸化型葉酸のリセプターであり、ヒト細胞ではFRα、FRβ及びFRγのアイソフォームが存在することが知られている(非特許文献1)。
FRαは、上皮細胞表面に発現し、種々の癌細胞で発現が増加する。最近では、卵巣癌患者において抗FRα抗体を用いたフェーズII臨床試験が米国で行われ、その効果が確かめられた(非特許文献2)。また、特許文献1は、抗FRα抗体を含む卵巣癌治療組成物を開示する。
一方、FRβの発現は健常者組織では少なく、関節リウマチ滑膜、変形性関節症滑膜、肺線維症の肺組織等の炎症組織の活性化マクロファージ表面に発現がみられる(非特許文献3~5)。さらに、本願発明者等は、抗ヒトFRβ抗体を作製し、種々の癌組織に存在する癌関連マクロファージの多くがFRβ発現マクロファージであること、及び膵臓癌においてFRβ発現マクロファージ数が増加した癌は生命予後が悪いことを示した(非特許文献6)。また、本願発明者等は、悪性グリオーマ移植モデルにおいて、抗FRβ抗体イムノトキシンを用いてFRβマクロファージを除去することにより、悪性グリオーマの増殖が抑制されることを示した(非特許文献7)。さらに、特許文献2~4は、FR-βに対する抗体及び該抗体とトキシンとを結合したFR-β抗体イムノトキシン、並びにこれら抗体及びイムノトキシンを含有する治療剤を開示する。
以上のように、これまで抗FRα抗体又は抗FRβ抗体イムノトキシン等の抗FRβ抗体結合物の単独使用による癌増殖抑制作用が知られている。しかしながら、抗FRα抗体又はその結合物と抗FRβ抗体又はその結合物とを用いた併用療法による癌増殖抑制効果は報告されていない。また、FRαとFRβとは、アミノ酸レベルで約70%の相同性を有するが、これまでにFRαとFRβの双方を認識する抗体は報告されていない。

産業上の利用分野

本発明は、葉酸リセプターα及びβを認識する抗体、及び当該抗体を含有する癌診断薬及び癌治療薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
葉酸リセプターα及び葉酸リセプターβに免疫学的に特異的に結合する抗体又はそのフラグメントであって、重鎖可変領域(VH)のCDRH1、CDRH2及びCDRH3のアミノ酸配列がそれぞれ配列番号2、配列番号4及び配列番号6のアミノ酸配列であり、並びに軽鎖可変領域(VL)のCDRL1、CDRL2及びCDRL3のアミノ酸配列がそれぞれ配列番号10、配列番号12及び配列番号14のアミノ酸配列である、前記抗体又はそのフラグメント

【請求項2】
抗体又はそのフラグメントがモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、多重特異性抗体及びそれらのフラグメントから成る群より選択される、請求項1記載の抗体又はそのフラグメント

【請求項3】
ヒト抗体若しくはヒト化抗体又はそのフラグメントである、請求項1又は2記載の抗体又はそのフラグメント

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体又はそのフラグメントを含むか、あるいは該抗体又はそのフラグメントに薬剤を結合してなる抗癌性分子標的薬。

【請求項5】
薬剤が、トキシン、細胞障害剤、酵素、サイトカイン及び化学療法薬から成る群より選択される、請求項4記載の抗癌性分子標的薬。

【請求項6】
トキシンが細菌由来トキシンである、請求項5記載の抗癌性分子標的薬。

【請求項7】
細菌由来トキシンが、シュードモナス毒素、ジフテリア毒素又はブドウ球菌毒素である、請求項6記載の抗癌性分子標的薬。

【請求項8】
抗癌性分子標的薬がイムノトキシンである、請求項4~7のいずれか1項記載の抗癌性分子標的薬。

【請求項9】
細胞障害剤が、抗腫瘍剤、腫瘍増殖抑制剤、腫瘍細胞アポトーシス誘導剤及び放射性核種から成る群より選択される、請求項5記載の抗癌性分子標的薬。

【請求項10】
請求項4~9のいずれか1項記載の抗癌性分子標的薬と薬学的に許容可能な担体とを含む癌治療用医薬組成物。

【請求項11】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体又はそのフラグメントに標識を結合してなる癌診断薬。

【請求項12】
標識が発蛍光団、色素又は放射性同位元素である、請求項11記載の癌診断薬。

【請求項13】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体若しくはそのフラグメント又は請求項11若しくは12記載の癌診断薬を含む癌診断キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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