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観察撮影装置

国内特許コード P160012879
整理番号 (S2012-0839-N0)
掲載日 2016年3月29日
出願番号 特願2014-521474
登録番号 特許第5874074号
出願日 平成25年6月18日(2013.6.18)
登録日 平成28年1月29日(2016.1.29)
国際出願番号 JP2013066684
国際公開番号 WO2013191165
国際出願日 平成25年6月18日(2013.6.18)
国際公開日 平成25年12月27日(2013.12.27)
優先権データ
  • 特願2012-140047 (2012.6.21) JP
発明者
  • 足立 吉隆
  • 中山 誠
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
  • 株式会社中山電機
発明の名称 観察撮影装置
発明の概要 研磨機構(20)が付属する観察撮影装置が開示される。研磨機構(20)は、回転軸(23)が鉛直である回転盤(24)と、この回転盤(24)の下面に取付けられ試料(15)の表面を研磨する研磨布(26、27)と、この研磨布(26、27)より下に配置され上向きに研磨材を含む研磨液を噴射して研磨布(26、27)を濡らす研磨液噴射ノズル(31、33)とを備えている。
従来技術、競合技術の概要

試料の表面を撮影し、観察する観察撮影装置が、各種知られている(例えば、特許文献1参照。)。

特許文献1を図12に基づいて説明する。
図12は従来の観察撮影装置の基本原理を説明する図である。図12に示されるように、試料101の表面が、顕微鏡102で観察される。また、この顕微鏡102に付属する撮像部103で、試料101の表面が撮影され、画像の形態で記録される。

試料101が金属系材料である場合は、観察や撮影の前に、研磨機構により試料101の表面が鏡面仕上げされる。
試料101を研磨する研磨機構が各種提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

特許文献2を図13に基づいて説明する。
図13は従来の研磨機構の基本原理を説明する図である。図13に示されるように、回転テーブル105に試料101が載せられる。この試料101に微細な研磨粒子を含む研磨液106が下向きノズル108から供給される。研磨粒子を含む研磨液106は遠心力により試料101の上面を流れる。試料101の上面に、回転する研磨布107を当てることで、試料101の上面が研磨される。その後に、想像線で示される顕微鏡102で観察し、撮像部103で撮影がなされる。

ところで、微細な研磨粒子の一部は、研磨布107に噛み込む形態で、研磨布107に留まる。研磨粒子は、使用に伴って、破砕される。破断面は鋭いため、放置すると試料101に傷を付ける。試料101の上面にも破砕された研磨粒子が滞留する。削られた試料の一部が試料101を傷付ける。結果、試料101の上面が荒れ、試料101の品質が低下する。

研磨布107を、交換する又は洗浄することで、品質の低下を防止することはできる。 交換する場合は研磨機構を止める必要があるため、観察撮影装置の稼働率が低下する。
また、破砕された研磨粒子が研磨布107に食い込んでいる。洗浄する場合は、へらやスキージを用いて研磨粒子を研磨布107からそぎ落とす。へらやスキージで研磨布107が痛む。その上で、多量の洗浄液で時間を掛けて研磨粒子を洗い流す必要がある。
洗浄する場合は、研磨布107の寿命が短くなると共に洗浄液の所要量が多量となる。

実験を円滑に且つ効率よく行う上で、研磨布の寿命が短くなり、洗浄液の所要量が多くなることは好ましくない。したがって、洗浄液の所要量を少なくすることができる観察撮影装置が望まれる。

研磨を電解処理で行うことが従来から行われてきた。電解研磨により試料の表面を平滑にすることができる。電解処理を行うには、一般に電解研磨板と電解研磨布又は電解槽が必要である。しかし、電解研磨板と電解研磨布又は電解槽を、それぞれ個別に設けることとなり、研磨機構が大きくなる。研磨機構の小型化が求められる。

また、電解処理では、試料の溶質成分で試料の表面が汚れる。毎回電解液を交換することで汚れを防止することができる。しかし、大量の電解液が必要となる。電解液の所要量を小さくすることが望まれる。

また、研磨機構では、研磨量の測定を行う必要がある。研磨量は100nm~数十μmであって、ごく小さい。研磨量を測定する測定器は、サポートを介して機台に支持されるが、サポートに変形が生じると研磨量の測定値に誤差が生じる。また、試料を載せる試料台(回転テーブルなど)に変形が生じると研磨量の測定値に誤差が生じる。
従来の構造では、研磨量の測定精度を高まることが難しい。よって、研磨量の測定精度を高めることができる構造が求められる。

また、試料の表面を観察する前に、試料の表面を薬品で腐食させることがある。この手法は化学的エッチング法と呼ばれる。
腐食性液体が、飛散して顕微鏡や研磨量測定器に接触すると、顕微鏡や研磨量測定器にダメージを与える虞がある。その対策が求められる。

また、図13において、試料101の上面に焦点が合うように顕微鏡102が調節される。顕微鏡102の調節が面倒であるため、焦点調節は、観察前に実施される。
しかし、研磨布107で試料101が、繰り返し研磨されると、表面が下がってくる。表面が下がってくると、焦点が合わなくなり、画像がぼやける。表面が下がっても鮮明な画像が得られることが望まれる。

また、顕微鏡102を、試料の表面101に沿って移動しながら撮像し、研磨を施し、顕微鏡102を試料101の表面に沿って移動しながら撮像することを繰り返す。取得した画像を積層して立体画像にするができる。
バックラッシュに代表される機械的誤差により、顕微鏡102が元の位置に正確に戻らないことがある。すると、画像が不鮮明になる。
顕微鏡102が移動する場合であっても、鮮明な画像が得られることが望まれる。

産業上の利用分野

本発明は、試料を拡大して撮像する撮像部付き顕微鏡に、試料を研磨する研磨機構が付属している観察撮像装置に関する。
撮像部付き顕微鏡は、試料の表面を観察し撮影する。
研磨機構は、試料の表面を等間隔又は設定した量を繰返し物理的、化学的に研磨する。
試料には、必要であれば観察に有利となるエッチング処理が施される。
観察装置によって得られた画像は、3次元構築を行い試料の3次元観察や数値化に利用される。
観察撮像装置は、シリアルセクショニング法と呼ばれる、観察を自動的に行う装置に相当する。

特許請求の範囲 【請求項4】
試料の表面を観察し撮影することができる撮像部付き顕微鏡に、前記観察に先立って前記試料の表面を垂直方向に等間隔又は設定した量を繰返し電解研磨する電解研磨機構が付属している観察撮影装置であって、
前記電解研磨機構は、回転軸が鉛直である回転盤と、この回転盤の下面に取付けられ観察面を電解研磨する電解液を吸収する電解液吸収布と、この電解液吸収布より下に配置され上向きに前記電解液を噴射して前記電解液吸収布を濡らす電解液噴射ノズルとを備えていることを特徴とする観察撮影装置。

【請求項5】
前記電解液噴射ノズルから腐食液を噴射させることを特徴とする請求項4記載の観察撮影装置。

【請求項6】
前記試料の表面又は観察面までの距離を計測する計測器と、この計測器で計測する研磨前の距離と研磨後の距離との差から研磨量を演算する演算部を備えていることを特徴とする請求項4記載の観察撮影装置。

【請求項7】
前記試料の表面又は観察面までの距離を計測する計測器と、この計測器で前記表面又は観察面の複数の箇所を測定させ、得られた複数の計測値を統計的に処理して表面あらさを求める統計処理部を備えていることを特徴とする請求項4記載の観察撮影装置。

【請求項8】
前記回転盤は筒状カバー内に配置され、前記撮像部付き顕微鏡は前記筒状カバーの外に配置され、前記研磨液噴射ノズル又は前記電解液噴射ノズルの噴射領域は前記筒状カバー内に設定されることを特徴とする請求項4記載の観察撮影装置。

【請求項9】
研磨又電解研磨が施された前記試料を前記撮像部付き顕微鏡の観察位置まで移動する試料台昇降機構と、前記表面又は観察面が前記撮像部付き顕微鏡の焦点に合致するように前記研磨量を見込んで前記試料台昇降機構を制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項6記載の観察撮影装置。

【請求項10】
前記撮像部付き顕微鏡は、水平に移動するステージに取付けられ、前記制御部は、前記ステージによる移動前の画像を保存し、前記ステージにより移動した前記撮像部付き顕微鏡が、前記移動前の画像に基づいて元の位置へ戻るように、前記ステージを制御する制御機能をも有することを特徴とする請求項9記載の観察撮影装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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