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新規ベンズイミダゾール誘導体及びその用途

国内特許コード P150012483
掲載日 2015年10月28日
出願番号 特願2014-502424
登録番号 特許第5854390号
出願日 平成25年3月1日(2013.3.1)
登録日 平成27年12月18日(2015.12.18)
国際出願番号 JP2013055752
国際公開番号 WO2013129674
国際出願日 平成25年3月1日(2013.3.1)
国際公開日 平成25年9月6日(2013.9.6)
優先権データ
  • 特願2012-045267 (2012.3.1) JP
発明者
  • 辻川 和丈
  • 田中 明人
  • 青木 俊二
  • 水野 裕章
  • 所 美雪
  • 古川 龍彦
出願人
  • 学校法人兵庫医科大学
  • 国立大学法人鹿児島大学
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 新規ベンズイミダゾール誘導体及びその用途
発明の概要 本発明は、種々の疾患に対する新規な治療方法の標的となり得るPCA-1酵素活性を阻害し得る化合物を提供すること、及び当該化合物の医薬用途を提供することを目的とする。
式(I):
(式省略)
[式中、各記号の定義は明細書中に記載の通りである]で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩。
従来技術、競合技術の概要

欧米において罹患率、死亡率のトップを占める前立腺癌は、本邦においても食生活の欧米化により急激な罹患率の上昇が認められている。この前立腺癌の早期癌は手術療法等で根治可能となっているが、手術療法が難しい高齢者の前立腺癌や進行癌に対してはホルモン療法が行われる。しかし、この治療中に、ホルモン療法抵抗性前立腺癌の出現が認められ、従って前立腺癌に対しては現在有効な治療法が確立されていないのが現状である。

一方、膵臓癌は現在治療がもっとも困難な癌の一つとされている。膵臓癌において腫瘍切除手術が行われても約9割が再発を来して死亡する。局所進行切除不能膵癌にはゲムシタビン塩酸塩や5-FUを、遠隔転移が認められた場合、ゲムシタビン塩酸塩を中心として多剤併用療法等が進められているが、それでも予後は中央値で4~6ヶ月である。

また、肺癌は本邦におけるがん死亡者数のトップを占めている。なかでも非小細胞肺癌は肺癌の中でも最も患者数が多い。治療薬としてはタキサン系等の化学療法剤が使用されているが、約30%の退縮しか認められないとされる。また、分子標的薬としてゲフィチニブがEGFRに変異が認められる患者には適応となっている。

よってこれらの癌に対する有効な治療薬の開発が切望され、早期に創薬基盤を確立する必要がある。

前立腺癌で高発現し、正常前立腺上皮細胞や良性腫瘍である前立腺肥大では高発現が認められない新規遺伝子(Prostate Cancer Antigen-1:PCA-1)が報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。PCA-1の発現状況を前立腺癌の診断に用いる方法(特許文献1)やPCA-1の発現又は機能を抑制する化合物を有効成分として含むアポトーシス促進剤、細胞増殖阻害剤、癌の予防・治療剤等(特許文献2)が報告されている。またPCA-1は膵臓癌(特許文献3)や非小細胞肺癌(非特許文献3)においても高発現している。これらの癌細胞におけるPCA-1発現をsiRNAを用いて抑制した結果、前立腺癌細胞(特許文献2)、膵臓癌細胞(特許文献3)、非小細胞肺癌の顕著な増殖抑制作用が認められた(非特許文献3)。また、癌細胞をマウスに移植して形成させた腫瘍は、PCA-1に対するsiRNA投与により退縮が認められた。これらの結果より、PCA-1が前立腺癌、膵臓癌等の癌治療の新たな分子標的となることが示唆されている。

また、PCA-1より脱メチル化されたtRNAは蛋白翻訳効率を上昇させることから、PCA-1は異常タンパク質がその発症原因となり得る疾患(例、脳神経変性疾患、動脈硬化)に対しても有用である。

一方、下記構造を有するベンズイミダゾール誘導体が報告されている(特許文献4、5)が、いずれも、PCA-1の酵素活性に及ぼす作用については知られていない。

【化1】
(省略)

産業上の利用分野

本発明は、新規ベンズイミダゾール誘導体及びその用途に関する。より詳細には、本発明は、Prostate Cancer Antigen-1(PCA-1)阻害活性を有する新規ベンズイミダゾール誘導体及び当該化合物を含有するPCA-1阻害剤、医薬等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】
(省略)
[式中、R
ロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基;
ハロゲン原子及びC1-6アルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC6-10アリール基;又は
ハロゲン原子であり;
はC1-6アルキル基又はC6-10アリール基であり;

ロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基、C6-10アリール基、及びC1-6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC7-11アラルキル基;
6-10アリール基;又は
6-10アリール基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、カルボキシル基、及びC3-6シクロアルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC1-6アルキル基であり;
は水素原子である]で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩。

【請求項2】
下記式で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩。
【化2】
(省略)

【請求項3】
式(I):
【化3】
(省略)
[式中、Rは水素原子;
ハロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基;
ハロゲン原子及びC1-6アルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC6-10アリール基;又は
ハロゲン原子であり;
はC1-6アルキル基又はC6-10アリール基であり;
は水素原子;
ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基、C6-10アリール基、及びC1-6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC7-11アラルキル基;
6-10アリール基;又は
6-10アリール基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、カルボキシル基、及びC3-6シクロアルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC1-6アルキル基であり;
は水素原子である]で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩を含む、PCA-1阻害剤。

【請求項4】
下記式で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩を含む、PCA-1阻害剤:
【化4】
(省略)

【請求項5】
式(I):
【化5】
(省略)
[式中、Rは水素原子;
ハロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基;
ハロゲン原子及びC1-6アルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC6-10アリール基;又は
ハロゲン原子であり;
はC1-6アルキル基又はC6-10アリール基であり;
は水素原子;
ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良いC1-6アルキル基、C6-10アリール基、及びC1-6アルコキシ基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC7-11アラルキル基;
6-10アリール基;又は
6-10アリール基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、カルボキシル基、及びC3-6シクロアルキル基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されていても良いC1-6アルキル基であり;
は水素原子である]で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩を有効成分として含む、PCA-1が関与している疾患の予防及び/又は治療薬であって、該疾患が癌、脳神経変性疾患、及び動脈硬化症からなる群より選択されるものである、予防及び/又は治療薬

【請求項6】
下記式で表される化合物又はその医薬上許容され得る塩を含む、PCA-1が関与する疾患の予防及び/又は治療薬であって、該疾患が癌、脳神経変性疾患、及び動脈硬化症からなる群より選択されるものである、予防及び/又は治療薬
【化6】
(省略)

【請求項7】
癌が、前立腺癌、膵臓癌及び非小細胞肺癌からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項5又は6記載の予防及び/又は治療薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014502424thum.jpg
出願権利状態 登録
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