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認知機能障害改善用細胞製剤

国内特許コード P160013017
整理番号 S2014-1385-N0
掲載日 2016年6月2日
出願番号 特願2014-170861
公開番号 特開2016-044152
登録番号 特許第6391364号
出願日 平成26年8月25日(2014.8.25)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
登録日 平成30年8月31日(2018.8.31)
発明者
  • 安宅 弘司
  • 乾 明夫
出願人
  • 国立大学法人鹿児島大学
発明の名称 認知機能障害改善用細胞製剤
発明の概要 【課題】認知機能障害の改善に有用な細胞製剤を提供する。
【解決手段】(i)骨髄由来トリプシン耐性細胞又は(ii)表面抗原を指標としてフローサイトメーターで細胞を分画する方法で得られるCD105陽性、CD90陰性分画から得られる中胚葉前駆細胞を含む細胞群を含有する認知機能障害改善用細胞製剤;及びヒトから採取された骨髄細胞を培養後、10~30分間トリプシン処理を施し、当該処理により培養容器から剥離しない細胞を有効成分とすることを含む細胞製剤の製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

骨髄内の幹細胞は、造血系幹細胞と間葉系幹細胞に分類される。造血系幹細胞は各種血球細胞に分化し、一方、間葉系幹細胞は骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞に分化する。

間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells, MSC)を使った再生をターゲットとした様々な研究(アルツハイマー病、脳梗塞、脊髄損傷、肝臓再生、糖尿病(β細胞再生)、腱再生など)が行われている。間葉系幹細胞は三胚葉に分化する。

骨髄由来間葉系幹細胞は、各成長因子の分泌、抗炎症作用(免疫調整作用)、抗アポトーシス作用などで損傷部位の修復に関与することが報告されている(非特許文献1)。

骨髄由来細胞を使った認知機能障害改善についての研究は、骨髄由来間葉系幹細胞を直接脳内投与した報告がある(非特許文献2)。間葉系幹細胞は骨髄以外の組織にも存在しており、脂肪組織、胎盤及び臍帯由来の間葉系幹細胞によるアルツハイマー病における認知機能低下の改善については基礎研究ならびに臨床研究が報告されている(非特許文献3)。

しかしながら、骨髄細胞を培養、トリプシン処理して得られた骨髄由来トリプシン耐性細胞を静脈内投与又は骨髄内投与することでの認知機能障害改善について報告はない。トリプシン処理は細胞に対してある種のストレスを与えると考えられるが、このようなストレス耐性の骨髄由来細胞にMuse(multilineage differentiating stress enduring)細胞がある(非特許文献4)。しかしながら、Muse細胞の分画分取方法(非特許文献5)では、トリプシン処理は5分間であり、また、トリプシン処理で剥離していることから、トリプシン耐性細胞(中胚葉前駆細胞)ではないと考えられる。

近年、骨髄由来間葉系幹細胞のなかでもいくつかのサブポピュレーションがあり、いわゆる間葉系幹細胞(MSC)以外の幹細胞の存在について報告がされてきている。この中の一つに中胚葉前駆細胞(Mesodermal progenitor cells)がある。この中胚葉前駆細胞は間葉系幹細胞(MSC)の親細胞であると報告されている(非特許文献6)。

また、骨髄由来細胞でトリプシン耐性の性質を有する細胞は中胚葉前駆細胞であることが報告されている(非特許文献7)。ヒト中胚葉前駆細胞の表面抗原についての報告があり、ヒト中胚葉前駆細胞はCD105陽性、CD90陰性とされている(非特許文献6)。

産業上の利用分野

本発明は、骨髄由来細胞を用いた認知機能障害改善用細胞製剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
髄由来トリプシン耐性細胞であって、トリプシン処理により培養容器から剥離しない細胞を含有する認知機能障害改善用細胞製剤。

【請求項2】
骨髄内、静脈内又は脳内に投与される請求項1記載の細胞製剤。

【請求項3】
骨髄由来トリプシン耐性細胞が、ヒトから採取された骨髄細胞を培養後、トリプシン処理を施し、当該処理により培養容器から剥離しない細胞である請求項1又は2記載の細胞製剤。

【請求項4】
(i)ヒトから採取された骨髄細胞を培養する工程(ii)次いで10~30分間トリプシン処理を施す工程(iii)前記トリプシン処理により培養容器から剥離しない細胞を培養容器から剥離させる工程、及び(iv)得られた細胞を認知機能障害改善用細胞製剤の有効成分として配合する工程を含む、認知機能障害改善用細胞製剤の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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