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抗腫瘍剤及びその製造方法 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P130008494
整理番号 S2011-0763-N0
掲載日 2013年1月21日
出願番号 特願2011-258221
公開番号 特開2013-006821
登録番号 特許第5892508号
出願日 平成23年11月25日(2011.11.25)
公開日 平成25年1月10日(2013.1.10)
登録日 平成28年3月4日(2016.3.4)
優先権データ
  • 特願2011-114629 (2011.5.23) JP
発明者
  • 有馬 直道
  • ヨハン ホワイト
  • 濱田 季之
  • 中島 充賀
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 抗腫瘍剤及びその製造方法 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 【課題】難治性のATL、リンパ腫及び固形癌に対する新規抗腫瘍剤の提供。
【解決手段】一般式(I):



[式中、Rは、ヒドロキシル基、メトキシ基等であり;Rは、水素原子、ヒドロキシル基等、及び、以下:



から選択され;Rは、水素原子、ヒドロキシル基等から選択され;Rは、水素原子、ヒドロキシル基等から選択される]
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


シソ科植物であるヒプティス・ヴェルチシラータは熱帯アメリカ原産で、南北アメリカの熱帯から亜熱帯地方に生息している。メキシコでは、一般に「hierba maltina」と呼ばれているこの植物の葉は、経口的に頭痛、胃痛及び消化器疾患等の薬として用いられている。また、この植物全体を煮詰めたものは、虫刺され、リウマチ及び皮膚感染症等の塗り薬として用いられており、さらに、駆虫剤や下剤としても広く用いられている。



ヒプティス・ヴェルチシラータからは、過去の研究により、多くのリグナン骨格を有する化合物が単離されている(非特許文献1及び2)。非特許文献2には、図1に示すようなリグナン骨格を有する化合物が記載されている。



成人T細胞白血病(Adult T-cell Leukemia:以下、ATLという)は、細胞性免疫担当細胞であるT細胞がHTLV-1というウイルスに侵されてガン化する白血病のことであり、T細胞がガン化したATL細胞の一部は花びらのような形状をした核を有し、「花細胞」と呼ばれている。感染経路としては、母乳、胎盤、産道を介した垂直感染、及び、性交、輸血、臓器移植を介した水平感染等が挙げられる。ATLの発症までの潜伏期間は40~60年であり、成人期以降に水平感染した人からは、ATLの発症はほとんど見られない。HTLV-1ウイルスのキャリアは日本で120万人、世界では1000万~2000万人とされており、日本では九州・沖縄地方に多いという特徴をもつ。発症すると、白血球数の増加、リンパ節腫脹、肝臓や脾臓の腫大、皮膚紅斑や皮下腫瘤等の皮膚病変、下痢や腹痛等の消化器症状がしばしばみられる。また病勢の悪化によって血液中のカルシウム値が上昇(高カルシウム血症)すると、全身の倦怠感、意識障害等の症状を引き起こす。さらに免疫能の低下により感染症にかかりやすくなり、真菌、原虫、寄生虫及びウイルス等による日和見感染症を高頻度に合併する。ATL細胞は抗ガン剤が効きにくく、また寛解が得られたとしても、再発率が高い。このため、従来の治療法ではきわめて難治性であるため有効な治療薬の探索が求められている。



非特許文献3には、リグナン類に属する化合物であるエトポシド(etoposide)(VP-16):
【化1】


が記載されている。エトポシドはメギ科の植物ポドフィルム(Podophyllum peltatum)から単離されたポドフィロトキシン(podophyllotoxin)を原料に合成された。エトポシドはトポイソメラーゼ阻害作用を有し、肺小細胞ガン、悪性リンパ腫、子宮頚ガン、急性白血病、精巣腫瘍、膀胱ガン及び絨毛性疾患等に対する薬として用いられている。また、エトポシドはATLの治療にも用いられているが、エトポシド以外のリグナン類に属する化合物についてはATL細胞に対して抗腫瘍活性があるという報告は現在までにない。



また特許文献1には、キク科植物ベニバナボロギクからの抽出物がATL細胞に対して抗腫瘍活性を有することが記載されている。



しかしながら、シソ科植物ヒプティス・ヴェルチシラータ由来の化合物又は抽出物がATL細胞に対して抗腫瘍活性を有することはこれまで報告されていない。

産業上の利用分野


本発明は、抗腫瘍剤及びその製造方法に関する。特に、本発明は、シソ科植物ヒプティス・ヴェルチシラータ(Hyptis verticillata)由来の抗腫瘍剤及びその製造方法に関する。具体的には、ヒプティス・ヴェルチシラータ由来の化合物及び組成物を有効成分として含有する抗腫瘍剤及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
FABマススペクトルによる解析から、分子量426であり、分子式C2322であり;
H NMRスペクトル(CDCl、300K、mult.,J=Hz)が、δ 6.34(s)、6.34(brs)、5.89(brs)、4.86(d,17.2)、4.76(d,6.0)、4.76(dd,17.2,2.3)、4.07(s)、3.76(s)、3.76(s)、3.64(dd,22.5,4.5)、3.60(dd,22.5,4.1)ピークを有し;
13C NMRスペクトル(CDCl、300K)が、δ 172.2、158.0、153.2、148.8、140.1、138.2、137.9、134.5、130.5、127.6、116.2、105.5、103.3、100.9、71.1、60.7、59.3、56.1、42.7、24.3ピークを有する化合物であって、
ヒプティス・ヴェルチシラータのメタノール抽出物をエーテルと水で分配して得られたエーテル層を85~95%メタノール水溶液とヘキサンで分配した場合の前記メタノール水溶液抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理して得られる、上記化合物

【請求項2】
シリカゲルカラムクロマトグラフィーの移動相として酢酸エチル/ヘキサン-酢酸エチルを用いた場合の60%酢酸エチル/ヘキサン溶出画分から得られる、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物有効成分として含有する抗腫瘍剤。

【請求項4】
成人T細胞白血病治療剤である、請求項に記載の抗腫瘍剤。

【請求項5】
薬剤耐性を有する患者に投与するための、請求項又はに記載の抗腫瘍剤。

【請求項6】
医薬品である、請求項のいずれか1項に記載の抗腫瘍剤。

【請求項7】
食品に添加するための、請求項のいずれか1項に記載の抗腫瘍剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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