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上肢運動訓練装置

国内特許コード P120007176
整理番号 S2010-1197-N0
掲載日 2012年4月3日
出願番号 特願2010-207095
公開番号 特開2012-061101
登録番号 特許第5478440号
出願日 平成22年9月15日(2010.9.15)
公開日 平成24年3月29日(2012.3.29)
登録日 平成26年2月21日(2014.2.21)
発明者
  • 余 永
  • 永井 雅人
  • 岩下 説志
  • 川平 和美
  • 林 良太
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 上肢運動訓練装置
発明の概要 【課題】スイッチ操作が不要又は簡便で、十分な訓練の成果が得られる訓練装置の提供。
【解決手段】歪みゲージ63で得た張力が所定値より大きいときにはワイヤ15を繰り出し、小さいときにはワイヤ15を巻取るようにサーボモータ36のトルクを制御し、回転角計測手段43で得たプーリの方位の時間変化に基づいてワイヤ結合具16の移動速度を演算し、得られた移動速度に基づいてサーボモータ36の回転速度を制御する。
【効果】患者83が上肢84を昇降させようとする運動を、サーボモータ36のトルクを制御することで補助する。即ち、ワイヤ15の巻取りや送出しを行うためのスイッチ操作が不要である。スイッチ操作が不要又は簡便で、十分な訓練の成果が得られる訓練装置ということができる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



脳卒中を煩った患者の一部に、後遺症として身体の一部に麻痺が残ることがある。いくつかある麻痺の種類のうち、身体の右側半分が麻痺したり、左側半分が麻痺するいわゆる片麻痺といわれるものが最も多い。片麻痺の患者の回復を図るために様々な訓練装置が提案されている(例えば、特許文献1(第3頁、図2、図3)参照。)。





特許文献1を次図に基づいて説明する。

図13に示すように、上肢動作補助機構100は、6つのサーボモータ101、102、103、104、105、106と、これらのサーボモータ101、102、103、104、105、106のそれぞれに繋げられるワイヤ等の糸条111、112、113、114、115、116と、これらの糸条111、112、113、114、115、116のうち糸条111、112、113の先端が繋がれ患者の肘近傍に装着される肘装着具117と、糸条114、115、116の先端が繋がれ患者の手首近傍に装着される手首装着具118と、6つのサーボモータ101~106を制御する制御装置(特許文献1第3頁左欄第11行)121~126と、この制御装置に動作指令を送るスイッチ(特許文献1第3頁左欄第19行)131~136とからなる。なお、特許文献1には制御装置やスイッチは図示せぬと説明されているが、説明の便宜のために図13に制御装置121~126及びスイッチ131~136を明示した。





スイッチ131~136は、患者Q又は医師もしくは訓練士が操作する(特許文献1第3頁左欄第19行~第20行)。スイッチ131を操作することにより、糸条111の長さが調整される。同様に、スイッチ132を操作することにより、糸条112~116の長さが個別に調整される。





図14に示されるように、肘部がaに置かれた場合、手首部はAに位置する。同様に、肘部がb~jに置かれた場合、手首部はB~Jに位置する。このようにして、手首部は斜線が施されているエリアが可動範囲となる(特許文献1第3頁右欄第7行~第8行)。





以上の説明から推察すると、上肢動作補助機構100では、スイッチ131~136を操作することで、糸条111~116の長さを変えることにより、患者Aの上肢の訓練を実施する。





これでは、スイッチ操作が繁雑になり、スイッチ操作における負担が甚大になる。

また、近年の訓練方法では、患者Qが上肢に力を加え、不足する力を外から加えることで、上肢を上下どうさせることが望まれる。上肢動作補助機構100では、患者Qが上肢に力を加えなくとも、操り人形にように上肢が上下動することになり、訓練の成果が得にくい。





そこで、スイッチ操作が不要又は簡便で、十分な訓練の成果が得られる訓練装置の提供が求められる。

産業上の利用分野



本発明は、患者の麻痺した上肢の運動機能を回復させる訓練に用いる上肢運動訓練装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
患者の麻痺した上肢の運動機能を回復させる訓練に用いる上肢運動訓練装置において、
椅子に座った前記患者より上方まで延びる高さの架台と、この架台の上部に平面視で矩形の頂点に鉛直軸周りに回転自在に取付けられる4個のワイヤ巻取り機構と、これらのワイヤ巻取り機構の各々から延びるワイヤと、これら4本のワイヤの先端を結合するワイヤ結合具と、このワイヤ結合具に吊り下げられ前記上肢を結束することができる上肢固定具とからなり、
前記ワイヤ巻取り機構は、前記架台に鉛直軸周りに回転自在に取付けられる回転軸と、この回転軸の上端に連結され前記回転軸の回転角を計測する回転角計測手段と、前記回転軸に吊り下げられる旋回箱と、この旋回箱から水平に延ばされる一対のアームと、これらのアームの先端に水平軸を介して回転自在に設けられ前記ワイヤを巻取るプーリと、このプーリを駆動するサーボモータと、前記ワイヤに加わる張力に応じて上下に撓む前記アームの撓み量を増幅する撓み量増幅機構と、この撓み量増幅機構で増幅された撓み量を計測する歪みゲージと、この歪みゲージで得た前記張力が所定値より大きいときには前記ワイヤを繰り出し、小さいときには前記ワイヤを巻取るように前記サーボモータのトルクを制御し、前記回転角計測手段で得た前記プーリの方位の時間変化に基づいて前記ワイヤ結合具の移動速度を演算し、得られた移動速度に基づいて前記サーボモータの回転速度を制御する制御部とからなることを特徴とする上肢運動訓練装置。

【請求項2】
前記ワイヤ結合具と前記上肢固定具との間に、前記撓み量増幅機構とは別のサブ撓み量増幅機構と、このサブ撓み量増幅機構で増幅された撓み量を計測するサブ歪みゲージとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の上肢運動訓練装置。

【請求項3】
前記サーボモータは、前記アームの基部又は前記旋回箱に設けられ、前記プーリとは伝道手段により繋げられていることを特徴とする請求項1記載の上肢運動訓練装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C046AA08
  • 4C046AA45
  • 4C046BB02
  • 4C046CC04
  • 4C046DD02
  • 4C046DD13
  • 4C046DD32
  • 4C046EE02
  • 4C046EE06
  • 4C046EE37
  • 4C046FF13
  • 4C046FF25
画像

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JP2010207095thum.jpg
出願権利状態 登録
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