TOP > 国内特許検索 > スイートピーから単離されたメチル化酵素

スイートピーから単離されたメチル化酵素

国内特許コード P110002261
整理番号 S2009-0885-N0
掲載日 2011年4月8日
出願番号 特願2009-165623
公開番号 特開2011-019420
登録番号 特許第5447806号
出願日 平成21年7月14日(2009.7.14)
公開日 平成23年2月3日(2011.2.3)
登録日 平成26年1月10日(2014.1.10)
発明者
  • 橋本 文雄
  • 清水 圭一
  • 坂田 祐介
  • ウレド ラバ イセルモ
  • 緒方 潤
  • 福田 良絵
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 スイートピーから単離されたメチル化酵素
発明の概要 【課題】スイートピーの花色発現に関与するO-メチル化変換酵素を提供する。
【解決手段】以下の(a)~(d)いずれか記載のポリペプチド。(a)特定のアミノ酸配列からなるポリペプチド(b)特定のアミノ酸配列において1~複数個のアミノ酸の置換、付加、欠失若しくは挿入を含みかつメチル化フラボノイドの生成を触媒する活性を有するポリペプチド、(c)特定のアミノ酸配列に対して少なくとも70%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなりかつフラボノイドのメチル化を触媒する活性を有するポリペプチド(d)特定のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドにコードされ、かつフラボノイドのメチル化を触媒する活性を有するポリペプチド
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



スイートピー(Lathyrus odoratus)はマメ科に属し、地中海のシシリー島からクレタ島を原産とする一年性の草本である。本種は、つる性植物で高さが1~2mに立ち上がり、花は3~5cmの幅で、園芸品種の花色は豊富である。





例えば、花色発現にかかわる花色遺伝について、複対立遺伝子が関与しているとの報告がある(特許文献1)。具体的に特許文献1は、「スイートピー(マメ科)花弁色素の分析を行い、各品種系統の花弁色素遺伝子型を調べた。その結果、各品種系統の花弁色素遺伝子型を明らかにした。Dpnの色素表現型にはメチル化アントシアニジンであるマルヴィジン(malvidin、Mv)とペチュニジン(petunidin、Pt)を含み、これらは、いずれもDpnを生成する色素遺伝子型に包含される。更に、Cynの色素表現型にはメチル化アントシアニジンであるペオニジン(peonidin、Pn)を含み、Cynを生成する色素遺伝子型に包含した」と記載している。





一方、植物のO-メチル化変換酵素(OMT)はリグニンや種々の二次代謝物質をメチル化する重要な酵素である。OMTは、受容分子中の水酸基をS-アデノシル-メチオニンを介してメチル基への変換を触媒する酵素であり、結果として、メチルエーテル誘導体を生じさせる。スイートピーの花色発現に関わるフラボノイド、特に、アントシアニジンについて、その花弁には、ペオニジン、ペチュニジン、マルヴィジンなどのメチル化アントシアニジンが含まれていることが知られているが(非特許文献1)、スイートピーのOMTをコードする遺伝子については報告されていない。





これまで、アントシアニン生合成経路においてアントシアニジンのメチル化に関与する酵素の遺伝子として、ネコメソウのF3',5'MT遺伝子(非特許文献2)、ニチニチソウのF3',5'MT遺伝子(非特許文献3)、シクラメンのF3',5'MT遺伝子(特許文献2)などが知られている。





特許文献3には「茶葉から抽出した茶カテキン類抽出液に、上記茶カテキンメチル化酵素を作用させて、茶カテキン類抽出液中の茶カテキン類を茶メチル化カテキン類に変換させることにより、茶メチル化カテキン類を高濃度で含有する茶メチル化カテキン類含有組成物を、効率よく、安価に製造することが可能となる」という記載がある。さらに、「本発明に用いられる茶カテキンメチル化酵素としては、茶カテキン類を茶メチル化カテキン類に合成変換することが可能な酵素であれば、由来等については特に限定されるものではなく、例えば植物由来、動物由来、微生物由来等とすることができる。植物の具体例としては、茶葉等が挙げられ、また動物の具体例としては、ラット肝細胞等が挙げられ、さらに微生物の具体例としては、ストレプトコッカス・グリセウス等を挙げることができる。このような茶カテキンメチル化酵素として具体的には、カテコールO-メチルトランスフェラーゼ(Catechol O-methyl transferase、EC2.1.1.6、以下略称COMTとする)等を用いることができる」という記載がある。

産業上の利用分野



本発明は、スイートピー(Lathyrus odoratus)のフラボノイド生合成経路における色素前駆物質のB環の水酸基をメチル化する酵素に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項2】
請求項1記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。

【請求項3】
配列番号1に示すヌクレオチド配列からなる、請求項2記載のポリヌクレオチド。

【請求項4】
請求項2又は3記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。

【請求項5】
請求項4記載の組換えベクターで形質転換された形質転換宿主細胞。

【請求項6】
請求項5記載の形質転換宿主細胞を、前記組換えベクターにコードされるポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養すること、及び該ポリペプチドを回収することを含む、請求項1記載のポリペプチドの製造方法。

【請求項7】
非メチル化フラボノイドを含む溶液を、請求項1記載のポリペプチドを用いて酵素処理することを含む、メチル化フラボノイドの製造方法。

【請求項8】
非メチル化フラボノイドを含む溶液は、茶、リンゴ、ブルーベリー、ブドウ、カキ又はイチゴ由来の抽出物である、請求項7記載の製造方法。

【請求項9】
請求項2又は3記載のポリヌクレオチドを開花植物の細胞若しくは組織培養物に導入することを含む、変異体植物の製造方法。

【請求項10】
開花植物はスイートピーである請求項9記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2009165623thum.jpg
出願権利状態 登録
特許の内容に興味を持たれた方、ライセンスをご希望の方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close