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芳香族炭化水素又はケトン化合物を製造する装置 外国出願あり

国内特許コード P110002258
整理番号 S2009-0380-N0
掲載日 2011年4月8日
出願番号 特願2009-048439
公開番号 特開2010-202549
登録番号 特許第5504494号
出願日 平成21年3月2日(2009.3.2)
公開日 平成22年9月16日(2010.9.16)
登録日 平成26年3月28日(2014.3.28)
発明者
  • 筒 井 俊 雄
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 芳香族炭化水素又はケトン化合物を製造する装置 外国出願あり
発明の概要 【課題】バイオマス等から得られる有機酸から芳香族炭化水素又はケトン化合物を製造する装置、およびその方法の提案。
【解決手段】バイオマスと酸発酵菌とを第1反応器へと供給する第1供給器、バイオマスから酸発酵菌により発酵させて有機酸を得る第1反応器、さらに生成した有機酸とZSM-5型ゼオライト触媒を第2反応器に供給する第2供給器、および有機酸をZSM-5型ゼオライト触媒により反応させる第2反応器を備えてなる製造装置を使用し、芳香族炭化水素又はケトン化合物を製造する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


現代社会は、エネルギー資源や化学物質資源として石油に大きく依存してきた。しかし、COによる地球温暖化問題及び原油価格の高騰を背景に、再生可能資源の利用によって石油への依存度を低減し、持続可能な社会を構築する必要が高まっている。種々の再生可能資源の中でもバイオマスは、自然界の炭素サイクルを利用する為、大気中のCO濃度を増大させることがなく(カーボンニュートラルという)、また物質資源としても利用可能であるため、その有効な活用が望まれている。



石油に代わる資源としてバイオマスを利用するためには、人類社会で必要な基幹化学物質をバイオマスから低コストで高収率に製造する必要がある。また、バイオマスから化学物質への転化過程において、多量の石油エネルギーを消費しては石油の代替とならず、またCOの削減を達成することはできない。従って、過度のエネルギー消費を抑制した、バイオマスの利用を実現することが必要である。



バイオマスの転化技術として、これまで例えば、亜臨界水による分解などの熱化学的変換法(特許文献1:特許公開2008-249207)、メタン発酵やエタノール発酵(特許文献2:特許公開2008-182925)などの生物的変換法が知られている。



熱化学的変換法では、ガス化の場合、一般に700℃以上の高温で水素や一酸化炭素を含むガスに転化する。このガス化生成物はさらにCOとの分離や精製を経て、メタノール合成原料とし、さらにジメチルエーテルを経て芳香族やオレフィンなどの化学原料となる。また、超臨界水分解ではヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒドなどの含酸素炭化水素化合物に転化できるが、その用途は限られ、必ずしも基幹化学物質が製造されるわけではない。



生物的変換法では、メタン発酵ではメタンとCOが得られるが混合物であるため発熱量が低く、エタノール発酵ではCOとともに得られるエタノールがガソリン代替燃料として期待されているが、エタノールと水の分離に必要なエネルギー消費と生産コストに対して高付加価値生成物とは言いがたく、高付加価値の化学原料とするにはさらに多くの工程が必要となるこのように、バイオマスから付加価値の高い化学物質を短い工程で製造する方法がいまだ十分に確立されていないのが現状である。
従って、今尚、バイオマスを用いて、付加価値の高い基幹化学物質である化学原料を直接製造する方法の開発が急務とされている。
【特許文献1】
特開2008-249207
【特許文献2】
特開2008-182925

産業上の利用分野



本発明は、芳香族炭化水素又はケトン化合物を製造する装置(方法)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
バイオマスから芳香族炭化水素を製造する装置であって、
前記バイオマスを、酸発酵菌により発酵させて、有機酸を生成する第1反応器と、
前記有機酸を、ZSM-5型ゼオライト触媒と350℃以上550℃以下で反応させ、副生成物である水と、生成物である前記芳香族炭化水素とが2相に分離させてなる第2反応器とを備えてなり、
前記バイオマスが、サトウキビの搾りかすであるバガス;イネ、麦の籾殻及び藁並びにこれらの、加水分解又は酵素分解による処理物;食用穀物の調理物及び廃棄物並びにこれらの処理物;木材の製材廃棄物、木材のアルカリ蒸解による処理物であり、
前記有機酸が、酢酸、プロピオン酸、乳酸又は酪酸であり、
前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、又はトリメチルベンゼンである、製造装置。

【請求項2】
前記バイオマスが、スクロース含有糖質バイオマスである、請求項1に記載の製造装置。

【請求項3】
前記ZSM-5型ゼオライト触媒が、Si/Al比が80以上のものである、請求項1又は2に記載の製造装置。

【請求項4】
バイオマスから芳香族炭化水素を製造する方法であって、
前記バイオマスを、酸発酵菌により発酵させて、有機酸を生成し、
前記有機酸を、ZSM-5型ゼオライト触媒と350℃以上550℃以下で反応させ、副生成物である水と、生成物である前記芳香族炭化水素とを2相に分離することを含んでなり、
前記バイオマスが、サトウキビの搾りかすであるバガス;イネ、麦の籾殻及び藁並びにこれらの、加水分解又は酵素分解による処理物;食用穀物の調理物及び廃棄物並びにこれらの処理物;木材の製材廃棄物、木材のアルカリ蒸解による処理物であり、
前記有機酸が、酢酸、プロピオン酸、乳酸又は酪酸であり、
前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、又はトリメチルベンゼンである、製造方法。

【請求項5】
前記バイオマスが、スクロース含有糖質バイオマスである、請求項4に記載の製造方法。

【請求項6】
前記ZSM-5型ゼオライト触媒が、Si/Al比が80以上のものである、請求項4又は5に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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