花色の予測方法
国内特許コード | P08A013414 |
---|---|
掲載日 | 2008年5月30日 |
出願番号 | 特願2006-158794 |
公開番号 | 特開2007-325533 |
登録番号 | 特許第5039967号 |
出願日 | 平成18年6月7日(2006.6.7) |
公開日 | 平成19年12月20日(2007.12.20) |
登録日 | 平成24年7月20日(2012.7.20) |
発明者 |
|
出願人 |
|
発明の名称 |
花色の予測方法
|
発明の概要 |
【課題】花卉の花色予測法を提供する。 【解決手段】花卉のフラボノイド生合成の色素前駆物質のB環の水酸化に関わるフラボノイド3',5’-水酸化酵素を含む酵素反応系の花粉親及び種子親配偶子由来の複対立遺伝子HT、HF、HZ、HD及びHOの組み合わせを、該複対立遺伝子に対応するフラボノイド3’、5’-ヒドロキシラーゼ遺伝子に基づいて開花前の花卉組織から決定し、遺伝子型HXHX・Pg/pg・Cy/cy・Dp/dpについて花粉親及び種子親配偶子間の複対立遺伝子の組み合わせと花色との相関に基づいて、開花前の花卉の花色を予測する方法及びそのためのキット。 【選択図】図3 |
従来技術、競合技術の概要 |
|
産業上の利用分野 |
|
特許請求の範囲 |
【請求項1】 明細書記載の図4に示す経路式のフラボノイド生合成の色素前駆物質のB環の水酸化に関わるフラボノイド3',5’-水酸化酵素を含む花卉の酵素反応系の花粉親配偶子及び種子親配偶子由来の複対立遺伝子HT、HF、HZ、HD及びHOの組み合わせを、電気泳動を用いて、該複対立遺伝子に対応するフラボノイド3’、5’-ヒドロキシラーゼ遺伝子のサイズに基づいて開花前の花卉組織から決定し、さらに遺伝子型HXHX・Pg/pg(すなわち、PgPg,Pgpg又はpgpg)・Cy/cy(すなわち、CyCy,Cycy又はcycy)・Dp/dp(すなわち、DpDp,Dpdp又はdpdp)について花粉親配偶子及び種子親配偶子間の複対立遺伝子の組み合わせと花色との相関に基づいて開花前の花卉の花色を予測する方法であって、 ここで、複対立遺伝子HTが、該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’位の水酸化を制御し、ペラルゴニジン(Pgn)とシアニジン(Cyn)の生合成に関与する遺伝子であり、複対立遺伝子HFが該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して5’位の水酸化を制御し、ペラルゴニジン(Pgn)の生合成に関与する遺伝子であり、複対立遺伝子HD又はHZが、該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’,5’位の水酸化を制御し、デルフィニジン(Dpn)の生合成に関与する遺伝子であり、並びに、複対立遺伝子HOが該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’、5’位の水酸化を制御し、デルフィニジン(Dpn)の生合成に関与する遺伝子である、並びに、 (a)複対立遺伝子HT又はHFが、配列番号1の8525bpの塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号1の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、を含むDNAであり、及び該DNAに対応するEf3バンド(電気泳動)を示し、(b)複対立遺伝子HZ又はHDが、配列番号2の3115bpの塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号2の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、を含むDNAであり、及び該DNAに対応するEf2バンド(電気泳動)を示し、(c)複対立遺伝子HOが、配列番号3の2498bpの塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号3の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、を含むDNAであり、及び該DNAに対応するEf1バンド(電気泳動)を示す、並びに、 花粉親配偶子及び種子親配偶子間の前記複対立遺伝子の組み合わせと花色が、下記の表(表中、Ef1はHOホモを表す電気泳動バンドを示し、Ef2はHD又はHZホモを表す電気泳動バンドを示し、及びEf3はHF又はHTホモを表す電気泳動バンドを示す。)に示される相関を有する、 ことを特徴とする、前記方法。 【請求項2】 花卉が、双子葉植物又は単子葉植物から選択される、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 花卉がトルコギキョウである、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 複対立遺伝子HT又はHF由来の配列番号1の塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号1の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、或いはその相補的塩基配列、を含むDNAであって、該複対立遺伝子HTが、該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’位の水酸化を制御し、ペラルゴニジン(Pgn)とシアニジン(Cyn)の生合成に関与する遺伝子であり、該複対立遺伝子HFが該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して5’位の水酸化を制御し、ペラルゴニジン(Pgn)の生合成に関与する遺伝子である、前記DNA。 【請求項5】 前記DNAが、複対立遺伝子HZ又はHD由来の配列番号2の塩基配列を含むDNAの第1エクソン配列中に、配列番号4のレトロトランスポゾンの塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号4の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、が挿入されたDNAである、ただし該複対立遺伝子HD又はHZが、該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’,5’位の水酸化を制御し、デルフィニジン(Dpn)の生合成に関与する遺伝子である、請求項4に記載のDNA。 【請求項6】 配列番号4の塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号4の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、を含むレトロトランスポゾン。 【請求項7】 複対立遺伝子HO由来の配列番号3の塩基配列、又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号3の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、或いはその相補的塩基配列、を含むDNAであって、該複対立遺伝子HOが該フラボノイド生合成の前駆物質でのB環の水酸化に関して3’、5’位の水酸化を制御し、デルフィニジン(Dpn)の生合成に関与する遺伝子である、前記DNA。 【請求項8】 請求項1~3のいずれか一項に記載の方法によって開花前の花卉の花色を予測するためのキットであって、下記の(1)~(3)のDNA: (1)複対立遺伝子HT又はHF由来の配列番号1の塩基配列又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号1の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、或いはその相補的塩基配列、を含むDNA、 (2)複対立遺伝子HZ又はHD由来の配列番号2の塩基配列又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号2の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、或いはその相補的塩基配列、を含むDNA、並びに、 (3)複対立遺伝子HO由来の配列番号3の塩基配列又はその配列と95%以上の同一性を有しかつ該配列番号3の塩基配列によってコードされるタンパク質と同じ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、或いはその相補的塩基配列、を含むDNA、 をプローブ又は遺伝子マーカーとして含む、前記キット。 【請求項9】 プローブが標識されている、請求項8に記載のキット。 【請求項10】 花卉がトルコギキョウであり、ならびに、花粉親配偶子及び種子親配偶子間の前記複対立遺伝子の組み合わせと花色との相関を示す下記の早見表(表中、Ef1はHOホモを表す電気泳動バンドを示し、Ef2はHD又はHZホモを表す電気泳動バンドを示し、及びEf3はHF又はHTホモを表す電気泳動バンドを示す。)をさらに含む、請求項8又は9に記載のキット。 |
国際特許分類(IPC) | |
Fターム |
|
画像
※ 画像をクリックすると拡大します。 |
|
出願権利状態 | 登録 |
英語項目の表示
発明の名称 |
METHOD FOR PREDICTING FLOWER COLOR
|
---|---|
発明の概要 |
PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for predicting the flower color of a flower and ornamental plant. SOLUTION: The method for predicting the flower color of the flower and ornamental plant before flowering is carried out as follows. A combination of multiple alleles HT, HF, HZ, HD and HO derived from a pollen parent and a seed parent gamete of an enzyme reaction system containing a flavonoid 3',5'-hydroxylase related to hydroxylation of a B ring in a dye precursor of a flavonoid biosynthesis of the flower and ornamental plant is determined from a tissue of the flower and ornamental plant before the flowering on the basis of the flavonoid 3',5'-hydroxylase gene corresponding to the multiple alleles. The flower color of the flower and ornamental plant before the flowering is predicted on the basis of a correlation of the combination of the multiple alleles between the pollen parent and the seed parent gamete and the flower color for the genotype HXHX-Pg/pg-Cy/cy-Dp/dp. A kit therefor is provided. |
アドレスは http://www.ktlo.co.jp/002_seeds_.html
『 花色の予測方法』に関するお問合せ
- 株式会社鹿児島TLO 技術移転事業部
- URL: http://www.ktlo.co.jp/
-
E-mail:
- Address: 〒890-0065 鹿児島県鹿児島市郡元1丁目21番40号 鹿児島大学内
- TEL: 099-284-1631
- FAX: 099-284-1632