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石炭中のフッ素の定量方法

国内特許コード P07A010692
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2005-295476
公開番号 特開2007-101504
登録番号 特許第4660764号
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発明者
  • 大木 章
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 石炭中のフッ素の定量方法
発明の概要 【課題】簡易で正確に分析を行うことができる石炭中のフッ素の定量方法を提供する。
【解決手段】濾紙1の中央に試料2を置く。試料2は、例えば石炭の粉末、触媒及び副触媒からなる。次に、導火部を固定したまま濾紙1を縦方向に三つ折りする。その後、濾紙1を横方向に三つ折りする。その後、試料2を包含した濾紙1を燃焼フラスコの共栓部(ガラス栓)4に取り付けた白金バスケット5に入れる。また、燃焼フラスコの三角フラスコ6には、少量の吸収剤7を入れ、更に酸素を満たしておく。そして、濾紙1の導火部3に点火し、濾紙1が固定された白金バスケット5を三角フラスコ6に挿入し、内部で試料2を燃焼させる。そして、燃焼終了後に燃焼フラスコを傾斜させて2分間振盪し、その後1時間放置することにより、燃焼により発生したフッ素を吸収剤7に吸収させる。このようにして、フッ素を溶液化する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


現在、石炭は世界の一次エネルギの約3割を占めている。特に電力生産に関しては、石炭火力発電への依存が大きい。更に、石炭の需要は増大しており、近年では、それまで使用されていない低品位炭(高灰分炭)も使用されるようになっている。しかし、石炭にはフッ素が含まれており、石炭の燃焼により放出されたフッ素を起因とする環境への影響が顕在化してきている。また、フッ素の含有量は、灰分量が多いほど高いため、低品位炭の使用量が増加するほど、汚染が広がりやすくなる。



このため、石炭に含まれるフッ素の量を正確に分析し、その分析結果に応じた対応を行うことが重要である。対応策としては、フッ素の含有量が少ない石炭と混ぜて燃焼させる混焼という技術があるが、この技術にも、正確なフッ素含有量が必要とされる。



石炭中のフッ素含有量を定量するためには、固体である石炭中からフッ素を回収し溶液化する必要がある。そして、この溶液化の方法として、pyrohydrolysis法(加水分解法)とよばれる方法が主流となっている。この方法は、例えば国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)及びアメリカ材料試験協会(ASTM:American Society for Testing and Material)等でも採用されている。



しかしながら、pyrohydrolysis法には、処理の煩雑さ及び習熟の必要性等の問題点がある。また、定量に要する時間が比較的長い(3時間~4時間程度)という問題点もある。



また、石炭中の元素の分析に関する種々の提案もされているが、そのままフッ素の分析に適用できるものはない。



【特許文献1】
特開2003-177095号公報
【特許文献2】
特開平9-243523号公報
【特許文献3】
特開平9-243633号公報

産業上の利用分野


本発明は、環境汚染の改善に好適な石炭中のフッ素の定量方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
石炭及び触媒を含む試料を酸素フラスコ燃焼法により燃焼させることにより、前記石炭中から発生したフッ素が溶解した溶液を得る工程と、
前記溶液中のフッ素濃度を測定する工程と、
を有し、
前記触媒は、少なくともWO3又はMoO3を含有することを特徴とする石炭中のフッ素の定量方法。

【請求項2】
前記触媒は、更にSnを含有することを特徴とする請求項1に記載の石炭中のフッ素の定量方法。

【請求項3】
前記フッ素濃度を測定する工程において、フッ素イオン選択性電極を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭中のフッ素の定量方法。

【請求項4】
前記溶液を得る工程において、前記試料を3回以上燃焼させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の石炭中のフッ素の定量方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005295476thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 公開特許は弊社ホームページ内で開示資料とともに、特許公報も掲載しております。
アドレスは http://www.ktlo.co.jp/002_seeds_.html


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